コロナ時代の「あたらしいツーリズム」 福知山で官民連携の非接触スタンプラリー
2020年12月08日 のニュース

IoT(モノのインターネット)を活用して、名刺大のカードを持ち歩くだけで、行った場所を自動で記録する「非接触自動スタンプラリー」が、京都府福知山市内で実施されている。官民連携で取り組む国内初の試みといい、新型コロナウイルスが感染拡大する環境下での観光のあり方を探る。
実施期間は12月1日から来年1月31日までの2カ月間。不特定多数の人が手にするスタンプを触る必要がなく、アプリをダウンロードするなどの事前準備もいらず、気軽に参加できることが特徴。
起案は地方自治体のPRやマーケティングを手がけるクロスボーダー(東京都台東区、佐藤泰也代表取締役)。NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公・明智光秀が築いた城下町として、観光需要を高める福知山市などに呼びかけ、観光庁が掲げる「あたらしいツーリズム」の実証事業に採択された。
ラリー発着点になるJR福知山駅北口すぐの福知山観光案内所を訪れて、カードを受け取れば準備完了。福知山城をはじめとする名所、ご当地グルメが味わえる飲食店やスイーツ店、集客施設、宿泊施設など市内46カ所を自由に巡る。
各地点にある発信機に近づくと、カードにあるランプが青色に点灯して1~5ポイントが自動で加算される。10ポイントを集めてゴールすると、記念品の菓子がもらえる。
観光案内所から距離が遠いほど高得点に設定。城周辺のまちなか回遊にとどまらず、大江町の日本の鬼の交流博物館や三和町の三和荘、夜久野町のやくの高原市などにも発信機があり、周辺部への誘客にもつなげたいとする。
同社は「観光客はもちろん市民のみなさんにも楽しんでほしい」と呼びかけ、市も「市内全域の魅力発信につなげたい」と期待している。
毎日先着150人で、受付時間は午前9時から午後3時まで。
スタンプラリーに合わせて、LINEを使って謎解きをしながら、まち歩きができるゲームも準備している。
写真=駅の観光案内所で借りるカードを持って出発