和歌山など南部に分布のスズミグモがここまで北上? 大江山で発見
2020年11月02日 のニュース

大江山の中腹にある福知山市大江町佛性寺、日本の鬼の交流博物館周辺でこのほど、コガネグモ科のスズミグモが発見された。スズミグモは、近畿地方では和歌山県など南部に分布しているとみられるが、北部の大江山で見つかるのは珍しいという。
見つけたのは同館の女性職員で、9月13日に博物館の裏手の出入り口を出たところの地面にいた。写真撮影をしたが、すぐに逃げ、姿を隠したという。
昆虫に詳しい市自然科学協力員会所属の太田明宏さん(67)=前田=によると、このスズミグモは、大きさから見て雌だと思われる。雌は体長2センチほどだが、雄は小さく3~5ミリという。現在近畿では、兵庫県の南部や和歌山県などに生息しているとみられている。腹部のドクロのような柄が特徴。
スズミグモは南方系のクモで、以前から生息地の北上傾向が見られるが、冬に雪が多い大江山周辺で発見されるのは大変珍しいという。
太田さんは「スズミグモは初夏から10月上旬にかけてが出現期で、それ以降はあまり見ることができません。南部にいた個体が車にひっついて、この地までやってきた可能性もありますが、いずれにせよ大江山周辺での貴重な目撃例になると考えられます」と話している。
写真=日本の鬼の交流博物館で見つかった雌のスズミグモ(提供)