海水の遡上防ぐ防潮幕 3年ぶりに由良川に設置
2020年09月12日 のニュース
京都府福知山市と舞鶴市の境付近の由良川に、日本海からさかのぼってくる海水(潮)を防ぐ防潮幕が張られている。少し上流の福知山市大江町二箇下に、舞鶴市の上水道の取水場があるため、海水の遡上防止に、3年ぶりに設置された。
二箇下の取水場は由良川河口から約17キロの場所にあり、ここから水をくみ上げて別の施設で浄水し、舞鶴市の8割の世帯の水道水をまかなっている。
由良川の水量が減ると、海水が上がってくるため、舞鶴市ではこれまでも防潮幕を張って対応してきた。2017年には7月21日から13日間、幕を張った。
今年は長梅雨だったが、梅雨が明けると雨はほとんど降らなかったことから、海水が遡上し、二箇取水場の塩分濃度が基準値を超えた。このため、8月上旬からは、同取水場から約2・5キロ上流の有路補助取水場で水をくみ上げている。
防潮幕は8月24日、舞鶴市桑飼上から対岸の大江町高津江にかけて設置。幕はテントなどに使われる帆布製で、長さは約100メートル、深さは2~3メートル。高津江側に川舟が通れる隙間を開けている。
舞鶴市水道整備課は、「防潮幕は塩分濃度や川の水量などの状況を見ながら、撤去の時期を決めたい」という。
写真=福知山市と舞鶴市の境付近の由良川に設置された防潮幕(大江町高津江側から撮影)