森を育て防災や温暖化防止など多面的機能守る 伊東木材に農水大臣賞

2020年07月24日 のニュース

 林業の技術・経営の改善に努め、持続的な発展に寄与する森林所有者や団体を表彰する「第59回全国林業経営推奨行事」(公益社団法人・大日本山林会主催)で、京都府福知山市立原の伊東木材株式会社(伊東和哉社長)が、最高賞の農林水産大臣賞に選ばれた。先進林業機器を使った省力化、低コスト化を図った利用間伐、特殊技術を使った難易度の高い伐採などが評価された。11月に東京都で開かれる賞状伝達贈呈式で表彰を受ける。

 推奨行事は昭和37年(1962)に始まった。伊東木材は、昨年度の「京の明日につなぐ森林コンクール」(府林業士会主催)で、受託森林での丁寧な間伐が認められて最優秀の知事賞に選ばれ、府の優良林業事業体として推薦されていた。

 伊東木材は明治35年(1902)に創業。従業員の平均年齢は30歳代と若いが、グリーンワーカーや林業作業士、現場責任管理者などの有資格者が多い。

 現場では作業道開設から伐採や搬出、仕分け、運搬まですべてを自社で行い、系列企業の株式会社いとうで、製材や住宅建築を請け負っている。伐採見学ツアーも開催し、国産材の良さのPRに努めてきた。

 また近年、寺社や個人宅を中心に、高所や狭い場所での危険木の伐採、せんていの依頼が増えているが、高難度なロープワークテクニックを駆使して要望に応えている。SNSを使った積極的な広報活動で人材確保に努め、各種の研修会に参加し、技術向上を図っている点も評価された。

 間伐を推進することで、森を育て、土砂災害の防止や地球温暖化の防止など森林の多面的機能を守るという先代社長・伊東宏一会長の姿勢を、和哉社長が受け継ぐ。

 「間伐の依頼者とともに、喜びを分かち合いたい。受賞は従業員のモチベーションアップにもつながる」と喜び、「最先端の林業機器を導入しているけれど、林業は経験がものをいう仕事。技術を伝承し、従業員が仕事により高い目標を持ち続けられるよう、責任のある立場に就かせていきたいです」と話している。
 
 
写真機械を使っての伐採作業(福知山市上小田で)
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下=受賞を喜ぶ伊東昌紀山林部長、伊東社長、伊東会長(左から)

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