候補者はどんな人? 福知山市長選4氏の横顔

2020年06月10日 のニュース

 京都府福知山市長選挙は告示から3日目を迎え、14日の投開票に向けて候補者4氏が主張をぶつけ合っている。公約や政策で舌戦を繰り広げる候補者たちは一体どんな人たちなのか。横顔を紹介する。立候補しているのは、届け出順に、地労協議長の奥井正美氏(66)▽元副市長の嵳峩賢次氏(65)▽元市立小学校長の小瀧真里氏(60)▽現職の大橋一夫氏(66)。いずれも無所属。

奥井正美候補(66)


■社会の矛盾に疑問 高校時代から強く

 高校時代は寮で過ごし、上級生から理不尽な態度を取られるゆがんだ縦社会のあり方に疑問を抱いた。思いは、次第に弱者が苦しむ社会の矛盾へと向いた。
 高校3年生の時には新聞部部長として当時の日本の公害問題などに切り込んだ。
 福知山地労協議長になって20年、相談に訪れる労働者と向き合ってきた。サラ金への過払い400万円の奪還、不条理にリストラされた人の支援にも走った。
 近年は労働問題まで発展する事例は減ったが、職場への不満を漏らす人たちの悩みは尽きない。涙もろいが、相談を聴くときは一切泣かずに相手の怒りを全て受け止める。
 ぼーっとしている時間が好き。仕事で京都市への出張が増えた2010年ごろからは“乗り鉄”として、電車に揺られるのが至福のひとときとなった。
 これまでは候補者を擁立する側。初出馬の決意を妻に打ち明けると驚かれたが、手作り弁当に「新婚ホヤホヤの気分です」。

嵳峩賢次候補(65)


■仕事観の原点は 初任の福祉現場に

 公務員人生39年の出発点・旧大江町役場で最初に担当したのが福祉。就学経験がない耳の不自由な人たちと接して、相手に寄り添い同じ立場で考える仕事観の原点が生まれた。
 旧福天1市3町の合併に伴い、無くなる運命だった町立大江病院を守るための民営化へ、病院改革特命課長として医療スタッフ一人ひとりと面会し、熱い思いをぶつけ合うことにもつながった。
 前市長が市長選で涙をのみ、自身も副市長を退いた。「行政と関わることはない」と、一市民として4年を過ごしたが、良いまちにとの思いが強くなった。
 東舞鶴高校時代にサッカーインターハイ府予選で4強入りした。バドミントンやテニスもするスポーツマン。毎日、半身浴の長風呂でリラックスする。
 特技は手話通訳で、今も大江の耳の不自由な人から相談をしてもらえることが自慢であり、誇りだ。サッカーのポジションはセンターフォワード。今度は市民がど真ん中の市政を作りたい。

小瀧真里候補(60)


■難病の苦しさも 子らの笑顔で復活

 教職36年。採用から10年ほどで難病を患い、一時職場を離れた。復帰しても足元がおぼつかず情熱はくすぶったが、子どもたちの笑顔に救われた。
 高校卒業までは挫折続き。社会が悪いと嘆くだけの自分を変えたいと、子どもたちに誇りある生き方を伝えられる教師を目指し、一浪して大学に進んだ。
 教職の道に進んだが、35歳の時に指定難病・重症筋無力症で3年休職。医師の制止を振り切り、旧天津小学校4年生の担任で復帰したものの、体力も気力も尽きかけていた。
 職員室から教室までの廊下が長い。「甘かった」と復帰を悔いたが、教室の扉を開けて十数人の児童たちの輝く目に出会った瞬間に、病気の苦しさは吹き飛んだ。通院は今も続けているが健康には自信あり。当時の児童たちと酒を酌み交わすこともある。
 子どものころから絵が好きで、黒板にイラストを描いて教えていた。今度は子どもや市民の笑顔広がるまちの未来図を描きたい。

大橋一夫候補(66)


■幼少期の父の姿が 自らの信条の起源

 前身の府議時代は、まちを歩き、吸い上げた課題を行政に反映させることに傾注したが、市長になると公務で日程はびっしり。まちに出られる時間が極端に減ったことにもどかしさを感じている。
 職員には市民目線で柔軟な思考を求めてきた。新型コロナの影響で停滞する定住促進事業で、担当課が機転を利かせてオンライン内覧を始めた。「事前に聞いていなかったので」と頭をかきながらも、うれしい発案に声のトーンが上がる。
 自分の思いをしっかり伝え、分かってもらえない時にも丁寧に説明することを信条にしている。その起源は幼少期にさかのぼる。自身を政治の世界へと導いた元府議の亡き父に叱られた時。正座させられ、謝っても許してもらえない。「説明して納得させるまで終わらなかった」と笑う。
 多忙の日々で楽しみは食事。エビフライなどの油ものが好物で、出張先ではカツカレーを探す。中性脂肪が気になっているけれど、元気はみなぎる。

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