大河女優逮捕で光秀ミュージアム開館延期も 頭抱える福知山市
2019年11月20日 のニュース

来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」に出演する主要キャストの女優の逮捕を受け、ドラマの主人公となる明智光秀ゆかりの地・京都府福知山市が頭を抱えている。放送開始予定まで1カ月半。大河ドラマ放送に合わせてオープンするはずの「福知山光秀ミュージアム」(市佐藤太清記念美術館内)の開館日が定まらないためだ。
「麒麟がくる」は動乱の戦国時代を駆けた光秀にスポットを当てる群像劇。放送開始を控えて、急転直下の騒動となった。
斎藤道三の娘で、織田信長の正室となる帰蝶役の女優、沢尻エリカ容疑者が今月16日、合成麻薬MDMAの所持容疑で逮捕された。
大河ドラマの放送開始が前提
大河ドラマは来年1月5日に第1話の放送開始予定だが、撮り直しなどで延期になる可能性も示唆されている。ミュージアムの開館は、ドラマが始まっていることが前提条件。このため福知山市が悩んでいる。
「明智光秀が 築いた城下町 福知山」を合言葉に、市は市内外で光秀とのゆかりをPRしてきた。復元した福知山城天守閣(内記一丁目)は前年度比1・8倍の来城者でにぎわい、10月からはさらに増えて光秀効果が現れている。
千載一遇のまちおこしの旗頭にと力を入れるのが福知山光秀ミュージアム。官民でつくる福知山光秀プロジェクト推進協議会が、福知山城下にある市佐藤太清記念美術館の一部を使い、放送開始後直近の土曜日、1月11日に開館する段取りを組んでいる。
市には、NHK側から、今回の騒動についての連絡と謝罪はあったが、具体的な今後の見通しは今のところ分からない。すでに配っているチラシにもミュージアムの開館日が明示されているが、放送開始が延期されれば、開館も遅らせなければならない。
市はNHKに、大河の主人公に光秀をと、他の自治体とも協力して長年誘致活動を続け、ようやく実現した経緯がある。
市の担当者は「どうなるのかという不安はあるが、今が踏ん張りどき。ピンチをチャンスに、福知山と光秀をアピールしたい」と気持ちを引き締める。
写真=光秀ミュージアムが入る市美術館。奥は福知山城天守閣