市民に親しまれた音楽小隊が解散 陸自福知山
2019年08月02日 のニュース
50年間にわたり、音楽を通じて地域貢献に努めてきた京都府福知山市の陸上自衛隊福知山駐屯地第7普通科連隊音楽小隊(小隊長・池上弘晃一曹、8人)が、7月で解散した。陸自の部隊改編に伴うもので、今後は「駐屯地音楽部」として活動を続けていく。
1969年に隊員有志によるトランペット鼓笛隊が誕生し、94年に本部管理中隊の音楽小隊として正式に編成された。音楽科ではない普通科の隊員による音楽隊は、全国的にも珍しい存在だった。
駐屯地行事をはじめ、福知山お城まつり、福知山マラソン、年末のさよなら演奏会など地域イベントにも積極的に参加して市民から親しまれてきた。
サックス、トロンボーン、トランペット、ドラム、ベース、ギターなどで16人を確保したいところだが、近年は隊員数が減少傾向で、楽器の偏りもあって編成に苦労していた。
駐屯地で31日にあった改編式で、音楽小隊は最後の舞台に上がり、参列した他の隊員や歴代小隊長らを前に、行進曲「大空」と「7連隊歌」を演奏した。
訓示した小野田宏樹連隊長は、これまでの活動への感謝を伝え、「部隊内外で音楽は大きな力になると思っている。これからは音楽部となるが、駐屯地としても支援していきたい」と話した。
小隊ではなくなるため隊員なら誰でも入部でき、音楽部は12人で新たなスタートを切る。練習は業務時間外に行う。音楽部長になる池上一曹(46)は「音楽演奏は多くの方々と交流できてやりがいがあり、形は変わるけれども音楽小隊の歴史をこれからも紡いでいきたい。地域のイベントにもできるかぎり参加したい」と気持ちを引き締めた。
写真=音楽小隊のラストステージ