かつて500人の職人がいた丹波漆 福知山市がパンフレット作成
2019年03月25日 のニュース

京都府福知山市は、市を代表する伝統文化の丹波漆をPRするパンフレットを新たに作成した。「丹波の漆かきと夜久野漆器」と名づけ、歴史や漆かきの技術・道具、市の取り組みなどをカラー写真入りで紹介。表紙には、漆かきや漆器制作の写真を入れた。
歴史の項目では、夜久野付近に明治時代、約500人の漆かき職人がいたといわれることなどを紹介。山陰、中国地方からの漆の集積地としても栄えたこと、1991年に「丹波の漆かき」として漆かきの技術が府無形民俗文化財に指定されたこと、06年にはNPO丹波漆理事長(当時・丹波漆生産組合長)の岡本嘉明さんが国土緑化推進機構から「森の名手・名人100人」に選ばれたことなどを掲載した。
漆かきの工程を皮むきカマやヘラ、筒などの道具の写真も使いながら分かりやすく説明。市やくの木と漆の館が、初心者でも手軽に漆塗りができる体験コースを実施していることも紹介している。
さらに、市ならではの新たな取り組みとして、人間国宝の村山明さんに依頼して制作した「欅拭漆桔梗文盛器」、4月から実施する予定の市民を対象にしたコップ、小皿、大皿、スプーンなどの「漆器レンタル(無料)」についても載せた。
パンフレットはA4判の8ページで、8千部作った。道の駅農匠の郷内の市やくの木と漆の館、市役所内の文化・スポーツ振興課で無料配布している。
写真=作成した丹波漆のパンフレット