洪水からの「逃げ地図」作り 日本JCが全国で初めて福知山で
2019年03月01日 のニュース
公益社団法人日本青年会議所(JC)は27日、京都府福知山市中ノの市商工会館で、災害時に高台などの安全な場所へ避難する経路と所要時間がひと目で分かる防災マップ「逃げ地図」を作るワークショップをした。全国で計画しているうちの、これが第1回。
逃げ地図は、ハザードマップなどを基に、色鉛筆や紐を使って簡単に作製できる。東京都内に本店がある日建設計のボランティア部が開発した。
災害時に、迅速に初動、復旧への動きがとれる態勢を整えていく必要があるとして、日本JCは内閣府と連携して逃げ地図作りのワークショップを各地で開くことを計画。初開催地として、近年水害が多発している福知山が選ばれた。
福知山JCなど近畿地方の会員や行政職員、福知山市社協職員ら約80人が参加。逃げ地図作りを推奨する明治大学理工学部の山本俊哉教授が教えた。
10班に分かれて洪水を想定した逃げ地図を作製。商工会館など市街地周辺を示した地図を使った。
最初に地図上に避難場所となる地点を設定し、後期高齢者がそこまでゆっくりと歩いてたどりつける時間を3分(距離にして129メートル)ごとに、緑、黄、オレンジなどの色鉛筆で道路上に色分けして、各家などから避難場所までどのくらいの時間がかかるか、分かるようにした。
参加者たちは短い紐を歩行距離を測る物差しにして、地図にあてて線で色分けしていった。
作製するにあたって、グループごとに気付いた点を話し合い、「線路などの高架下は雨水がたまりやすい」「川に近い地域には避難者のためのヘリポートを設ける必要がある」など活発に意見を出した。
ワークショップに参加した京丹後市弥栄町区長連絡協議会の川戸一生会長(64)は「災害時にどのように避難するか常に考えておかなければならないので、逃げ地図作りは本当に必要になります。地域でも進めていきたい」と話していた。
写真=グループで逃げ地図作りを進めていった