おかえり!尊君 大勢の支援で心臓移植の幼児

2019年02月16日 のニュース

 難病の拡張型心筋症を患い、市民ら大勢の支援によって2017年11月にアメリカで心臓移植手術を受け、現在は大阪府内の病院での治療を続けている後一尊(ごいち・たける)君(3)=京都府福知山市水内=が、今月中に福知山へ戻れるめどがついた。両親の充宏さん(35)と美優紀さん(29)は15日、市役所で記者会見を開き「尊と一緒に暮らせる運びになったのも、募金などでご協力いただいた方々のおかげです」と感謝の気持ちを表した。

 尊君は生後4カ月で拡張型心筋症と診断され、両親はアメリカでの心臓移植を決意。移植にかかる費用は医療前払い金(デポジット)や渡航費などで3億2千万円が必要で、資金面で支援する「たけるくんを救う会」(八尾正幸代表)が結成された。

 温かい支援の輪はすぐに広がり、市内外で募金活動などを展開。尊君とは別の救う会から余剰金の寄付も寄せられ、目標額に到達した。尊君は17年11月に渡米し、同月26日に手術を受けた。余剰金は全額、別の救う会に寄付した。

 約4カ月後の18年3月に帰国を果たし、渡米前に入院していた大阪府内の病院に転院。経過は良好で、現在は体調も安定しており、検査の結果も良かったため、主治医から福知山の自宅に帰る許可が下りた。

兄姉も心待ちに 三段池で散歩を

 小学1年生の姉と5歳の兄も、尊君が家に戻るのを心待ちにしているという。両親は「尊と福知山で生活が送れることに喜びを感じています。もっと暖かくなれば、三段池公園で散歩もしたい」と期待する。

 金銭面の支援だけでなく、励ましの手紙や千羽鶴がたくさん寄せられたことを話し、「みんなに助けていただき、尊は難病を乗り越えることができました。感謝の気持ちをずっと忘れず、みんなに優しくできる子に育ってほしい」と思いを話す。

 記者会見には尊君も同席。長期の入院などで思うように動けなかったため、最近つかまり立ちができるようになったばかり。体の成長はゆっくりだが、元気いっぱいで、頬に手を当てる「かわいい」ポーズを披露するなど、愛敬たっぷりの姿を見せていた。

写真=「かわいい」ポーズを披露する尊君と両親

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