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両丹日日新聞2017年4月24日のニュース

鬼伝説広めた読本「酒呑童子由来」 鬼博で版木一挙展示

「酒呑童子由来」の版木 江戸時代から旅籠として栄えた京都府福知山市大江町佛性寺の鬼ケ茶屋が発行していた読本「酒呑童子由来」の版木全14点が、25日から日本の鬼の交流博物館(佛性寺)で展示される。博物館の春季特別展「大江山 鬼ケ茶屋」展で並ぶ。全部の版木が一般公開されるのは初めてで、展示を通して、茶屋が大江山の鬼伝説を広めるのに大きく寄与していたことを紹介する。

 鬼ケ茶屋は、大江山越えの主要街道だった「今普甲道(宮津街道)」沿いにあり、宮津・成相山へ向かう旅人らの休息場だった。藤原鎌足を先祖とし、源頼光の大江山鬼退治に参加した藤原保昌の子孫とされる藤原家が営んできた。

 茶屋は巡礼の旅人たちを宿泊させていたほか、大江山の鬼退治伝説を物語とした読本や絵図を発行し、土産物として販売していたとされる。

 読本や絵図は、版木を作り、印刷をして本などにし、店先に並べた。酒呑童子由来は、現の京丹後市大宮町の岩屋寺の住職だった黙知軒光研が、江戸後期の弘化2年(1845)に書いた「大江山千丈ケ嶽 酒顛童子由来」が原本とされ、大江山の鬼退治伝説を記し、鬼の征伐場面などが描かれている。

 鬼ケ茶屋の現在の主人、藤原卓さん(82)によると、版木で印刷して本を販売していたのは、茶屋が旅館を営んでいた昭和40年代ごろまでという。

 今回出展する酒呑童子由来の版木は1枚が縦約20センチ、横約40センチ。ほとんどが表、裏両面に彫られている。板の保管状態は良く、塗った墨が防腐剤の役割をしているため、傷みが少ないと考えられる。

■市指定文化財の襖絵も同時に■

 特別展では、このほか茶屋に保管されている大江山や天橋立周辺の鳥瞰図などの版木や刷り物、市指定文化財になっている襖絵「紙本大江山鬼退治之図」も展示する。

 藤原さんは「酒呑童子由来の版木は、これまで鬼の博物館で1、2点ぐらい展示したことはありますが、全部出すのは初めて。多くの人たちに見てほしい」と言う。

 鬼博の塩見行雄館長は「酒呑童子由来が発行されていた江戸時代後期は、福知山の町中でも版木を使って出版物を出しているところは少なかったようです。読本は鬼退治伝説が残る大江山の観光パンフレット的な役割を果たしていた」と分析する。

 特別展は6月4日まで。入館有料。開館時間は午前9時から午後5時(入館は同4時30分)まで。月曜が休館だが、5月1日は開ける。


写真=「酒呑童子由来」の版木。保管状態が良く、今でも印刷することができる


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