農業体験で縁生まれる 都会とつなぐ体感ツアー、棚田を舞台に30回の節目 大江町毛原
2026年04月08日 のニュース
移住者も増え活性化
地区の谷筋にたくさんの棚田が広がる京都府福知山市大江町毛原で5月10日、「毛原の棚田taikan(体感)ツアー」の田植え体験会(毛原の棚田体感ツアー実行委員会主催)が開かれる。体験会は1997年に棚田農業体験ツアーとして始まり、今年で30回目を迎える。ツアーから派生した「オーナー制度」を通じて、毛原へ移住する人たちも増え、地域活性化につながる大切なイベントになっている。
毛原地区には約600枚の棚田が広がり、その美しい景観から農林水産省の「つなぐ棚田遺産」にも選定されている。当初は地元住民を中心に結成した実行委員会が、毛原の棚田を広く知ってもらおうと体験ツアーを企画した。
春に酒米の田植え、秋には稲刈りと、一連の取り組みを進めていく中で、実行委の核となる住民の負担が次第に大きくなっていった。2011年での終了をいったん決めたが、担い手不足で不耕作の棚田は増え、地区を盛り上げるには欠かせない催しとして続けることを選んだ。
12年からは地区外の人も含めた有志による実行委員会を結成し、イベント名も「taikanツアー」に変えた。20年と21年はコロナ禍で中止としたが、実行委のメンバーで田植えや稲刈りをして、歩みを止めなかった。
オーナー制度は、年間を通じて農作業がしたいという体験ツアー参加者の思いをくみ、ツアー開始翌年の1998年に始めた。農作業を通じ、自然あふれる毛原の景観を気に入り、住民たちの温かい心に触れ、都会から移住する人が増えた。
2022年に、大阪市内から移り住んだ元朝日新聞記者の山村哲史さん(50)は、体験ツアー参加やツアー開催のためのボランティアなどで毛原を毎年訪れるうちに、この地に愛着を覚え、移住を決めた。「住民やツアー参加者のみなさんにも良くしていただき、行く度に歓迎してもらいました」と振り返る。
山村さんは地域に溶け込み、大阪の住まいと毛原を行き来する2拠点生活をしながら、稲作などに励んでいる。今年1月には体感ツアーの実行委員長に就いた。
山村さんは「体験会を楽しみにしておられる人も多く、これからも地元の人の負担が大きくならないような体制を考え、できるだけ長く続く取り組みにしていきたい」と願う。
写真(クリックで拡大)=田植え体験会で酒米の苗を手植えする参加者たち(昨年のツアー)








