南北朝期の涅槃図再生 式典で祝いお披露目 夜久野町畑の圓満院
2026年03月30日 のニュース
3年がかりで修復
京都府福知山市夜久野町畑、真言宗御室派の圓満院が所蔵する府暫定登録文化財「絹本著色仏涅槃図」が、3年がかりで修復され、29日にお披露目された。開眼法要や式典が営まれ、檀家ら約60人が参列し、よみがえった文化財の公開を祝った。
涅槃図は14世紀の南北朝時代の作とされ、市の指定文化財にもなっている。大きさは縦117センチ、横96センチ。軸木の記載から、前回の修理は江戸時代とみられるが、その後の長い年月で劣化が進み、紙には横折れや縦折れ、亀裂や欠失が生じた。表装のはがれや下軸の脱落も見られ、掛け軸として掲げられない状態だったという。
夜久野町額田、東光寺の大月康永住職(47)が圓満院も兼務するようになった2021年に、府と市の文化財調査があり、修復の話が持ち上がった。修復費用は朝日新聞文化財団の助成をはじめ、府や市の補助金、檀家からの寄付などでまかなった。
修復は京都国立博物館内で修理を手掛ける株式会社修美が請け負い、23年4月に作品を搬出し着手。剥落止めをし、絵の具の欠損部分を補彩したほか、折れた部分の補強、裏打紙の修復などが施され、専門の技師が細心の注意を払いながら作業を進めた。保存用の桐箱も新調された。
法要では、釈迦が涅槃に入る直前に説いたとされる「遺教経」や般若心経などを全員で唱えた。続く式典では、修復を手掛けた修美の大野恭子副社長が修理内容を報告し、府文化財保護課の職員が涅槃図の歴史的価値などについて解説した。
大月住職は「仏教の大切な教えと深い意味を今に伝えている尊い図像。先人から大切に受け継がれてきたこの寺宝を関係者の協力で、無事修復することができた。しっかりと守っていき、次の世代へ引き継いでいきたい」と話していた。
写真上(クリックで拡大)=修復された涅槃図
写真下(クリックで拡大)=法要で完成を祝った










