「地域で支え合う備えを」穴水町の施設職員が能登半島地震の教訓語る 災害福祉セミナー
2026年02月28日 のニュース
能登半島地震で被災した石川県穴水町の高齢者福祉施設の職員が、震災当時の状況や教訓などを語る災害福祉セミナー「能登半島地震から考える」が27日、京都府福知山市多保市の六人部地域公民館で開かれた。市内外の福祉関係者ら40人が参加し、災害時の備えや地域連携のあり方について学んだ。市社会福祉協議会主催。市後援。
講師を務めたのは、高齢者福祉施設「朱鷺の苑」の大畑一也施設長(44)と事務長の寺西澄子さん(62)。施設がある穴水町は最大震度6強を観測し、家屋や道路が甚大な被害を受けた。町内全域で断水が発生し、復旧まで2カ月を要した地区もあった。
同施設も建物や設備に被害を受けたが、水道は約1週間で復旧。電気や入浴設備も使用できたことから、地域住民の避難所として受け入れを行い、ピーク時には約100人が身を寄せた。
能登半島では2007年にも大きな地震を経験している。24年の発災時には、前回の教訓を踏まえ備蓄食料を増やし、車両は燃料が半分になれば給油を徹底していたことなどが奏功。さらに、避難訓練で「一番丈夫な場所は食堂」と繰り返し周知していたことで、地震直後には入所者が自ら食堂へ避難していたといい、「平時の積み重ねが非常時に生きた」と強調した。
一方で、利用者と職員の安全確保と業務継続を目的とする事業継続計画(施設BCP)について、「地域全体が同時に被災し、ライフラインが長期停止する状況では施設単体の計画には限界がある」と指摘。地域内の各施設が強みや弱みを共有し、相互に補完し合う体制づくりの必要性を訴えた。
さらに、近隣だけでなく遠隔地の事業所とも平時から協定を結ぶ有効性にも触れ、「日ごろから地域を支える役割を担っている福祉施設、事業所は有事の際、入所者を守るだけでなく、住民の避難拠点や心の支えとなる存在。長期化する災害を見据え、地域を越えた協力体制を整えることが大切です」と呼びかけた。
写真(クリックで拡大)=震災の経験を語る寺西さん(左)と大畑施設長









