かじかむ手、ぶれぬ技―大寒に漉く、厳冬に育つ和紙 大江町の田中製紙
2026年01月20日 のニュース
20日は二十四節気の「大寒」で、一年のうちで最も寒い頃とされる。京都府福知山市内で唯一、手漉き和紙を作り続ける大江町二俣一の田中製紙工業所では、厳しい冷え込みを利用した「寒漉き」と呼ばれる伝統の和紙作りが行われている。
田中製紙は、江戸時代から丹後和紙(丹後二俣紙)の製造を手掛け、現在5代目の田中敏弘さん(64)が中心となって紙を漉いている。
手漉き作業は年間を通して行うが、冬の低温期は、漉きぶね(水槽)の水に雑菌が繁殖しにくく、原料のコウゾの繊維を分散させる植物トロロアオイの粘りも長持ちするという。
今季の寒漉きは5日から始めた。冷たい井戸水を張った漉きぶねの中にコウゾの繊維とトロロアオイの粘液を入れて、台にすだれを乗せた木製の道具「簾桁」で溶液をすくい取り、漉いていく。
今漉いているのは極薄の漆こし紙。厚みが均等になるよう慎重に簾桁を動かす。わずかな手元の狂いで紙にならない部分が出るため、微妙な手の動きを調整しながら作業を進めている。
寒漉きは2月いっぱい続ける。田中さんは「漆こし紙の製造は通常の紙より数段神経を使います。手がかじかんで大変な作業ですが、寒さが続いているので、今のところ安心して紙を漉けています」と話した。
写真(クリックで拡大)=簾桁をリズミカルに動かす田中さん(きょう午前8時40分ごろ)








