いつもそばにガンダム 作ったプラモデルは500体 グリーンビラ夜久野職員・長島卓哉さん

2026年01月03日 のニュース

 木造住宅2階のふすまを開けると、生活感ある6畳の自室に所狭しと機動戦士ガンダムのプラモデル(ガンプラ)が並ぶ。京都府福知山市夜久野町平野の高齢者福祉施設グリーンビラ夜久野の事務長補佐、長島卓哉さん(42)は35年以上かけて約500体を収集、製作。ガンダムとともに育ってきた。

5歳で初めて製作 世界観にハマる

 兵庫県朝来市在住。主にシリーズのモビルスーツ(機体)を二頭身でかわいらしく小型化した「SD(スーパーデフォルメ)ガンダム」を集める。元々車好きで親に車のプラモデルを作ってもらっていたが、5歳の時にガンプラと出合い、初めて自分の手で製作したことをきっかけにのめり込んだ。

 「今思えば、友だちの女の子が持っていたドールハウスや人形に影響されたんじゃないかな。祖父母に連れられて福知山のショッピングモールで買った覚えもあります」

 また当時の販売価格は1キット300円ほどと、リアルな機体のプラモデルと比べて安価で、組み立てるのに接着剤なども必要なく、「エントリーのしやすさが良かったのと、説明書に載っているガンダムの漫画が楽しみでしたね。次のキットにストーリーが続いて、気になって集め出しました」。

 そこからガンダムの世界観にハマり、アニメや漫画で主なシリーズを一通り網羅した。ストーリーやキャラクターの奥深さにひかれ、「作品ごとに魅力が全然違って面白い。けどモビルスーツのカッコよさは、どのシリーズも変わらない」と熱く語る。

ジャンク品も集めこつこつ組み立てる

 ガンプラ製作は子どもの頃から途切れることなく、現在はSDガンダムに加え、大型のものも手掛ける。ニッパーで各部品を取り外し、カッターで断面をきれいに成形したあと、機体の目やボディーのデザインとなるシールを貼り、組み立てて完成。基本的には説明書通りで、長島さんは専用のマーカーで墨入れし、立体感を出す。

 昔壊してしまったものは再販で入手したりするほか、ネットオークションで部品の寄せ集めなど、いわゆる“ジャンク品”も収集。欠けてしまった部品を補ったり、ジャンクパーツだけを組み合わせて1体作り上げることも。シールがなかったり、色あせたりしている部分はマーカーで色塗りをして仕上げる。

 帰宅後や休みの日に製作し、時間はSDガンダムで2時間ほど、大型だと3日ほどかかる。「社会人になり役職にも就くと、ますます時間がないですが、良いストレス発散になっています」と笑う。

 完成品は自室の棚や机、ケースの中に並べているが、押し入れにはまだ組み立てていない“積みプラ”が70箱ほどある。人気があるものはネットなどで争奪戦になるが、「こっちの店舗では運よく残っていることがあって、地方の強みですね。ただ作るスピードが追い付かなくて」と頭をかく。

 最近はガンダム以外の作品のキャラクターも作る。作品の内容を知らなくても「面白そうな造形だと買ってしまいます。そこから作品を知っていくことがほとんど」。

初めて作った若武者

 特に思い入れのあるガンプラは、戦国武将のような鎧を身にまとう「武者ガンダム」。38年前、一番最初に組み立てたもので「当時のぼくにとってのヒーロー」。若武者だった姿が後に出世し、「三代目頑駄無大将軍」となって販売されるなど、ストーリー性のある商品展開に心をつかまれた。

 ほとんどのガンプラがきれいに保たれていて、当時の説明書なども残っている。プラモデル以外にフィギュアもいくつか所有するが「“組み立てる”という作業が好きなんでしょうね。飽きが来ない」と、趣味尽くしの日々を過ごす。

作品展で展示、譲渡「次代につながれば」

 組み立てたガンプラはSNSなどで公開するほか、職場のグリーンビラ夜久野の作品展で展示。昨年10月の夜久野ふれあい祭りでも注目を集めた。

 うわさを聞いて同じく長年のファンが近隣市から見に来たり、訪れた親子らが見入ったり。中には「欲しい」という子どももいて、昨年は30体ほどを快くプレゼントした。

 ものによってはあげられないが、コレクターとしての執着はあまりなく「次の世代の子らが興味を持ってくれたらうれしい。親御さんには迷惑になるかもしれませんが」と冗談めかしながらも目を細める。「例えばの話ですが、行政の誘客イベントなどで役立ててもらえるなら全部寄付してもいい」と展望を語り、「その分また作りますが」と作りかけのガンプラへと手を伸ばす。

 

写真(クリックで拡大)上から

・自室に飾るガンプラと長島さん
・部品は山のようにある
・押し入れに積まれた未開封のプラモの箱
・最初に作った武者ガンダム(左)と出世した姿の三代目頑駄無大将軍
・全てのプラモを出展した昨年の作品展

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