レコードを聞きながら、コーヒー飲みおしゃべり ホットな交流生まれる 新町商店街の縁側カフェ
2026年01月02日 のニュース
主催するのは、市民有志でつくる「ストリートレコードカフェ研究会」。福知山公立大学地域経営学部の谷口知弘教授(61)が2022年1月23日に、同商店街の「アーキテンポ」で行われていたプチマルシェに行き、軒下で野菜を販売していた店主とコーヒーを飲みながら雑談を交わす中で、「レコードをかけながらくつろげる場ができたら面白いのでは…」と思い付いた。
地元の長町老人会がサロンでレコードをかけながら楽しむ企画をしているのを思い出し、これならレコードやプレーヤーがあればすぐできると、翌週の日曜から、知り合いの男性と谷口教授のゼミ生との3人で、アーキテンポの軒下を借りて「レコードと珈琲道端カフェ」の名称で始めた。
世間話でも盛り上がり
レコードから流れる音につられて、一人、また一人と集まってくる。曲を聞きながら、レコードやアーティストにまつわる話題で盛り上がり、世間話にも花を咲かせる。何回か来るうちに顔見知りになる人もいる。
メンバーは約10人。道端カフェが始まって数カ月後に仲間入りした大槻正輝さん(73)=西中ノ町=はレコード世代で、特にジャズやブルースを好む。「レコードの音は哀愁があって、来た人たちと『こんな曲あったね』と盛り上がり、その時代にタイムスリップできるのが良いところ」と語る。
レコードになじみのない若者たちも興味津々で立ち寄る。福知山高校2年の四方陽登さんは「レコードは柔らかい音が特徴で、CDとまた違う良さがありますね」と話す。
被災地能登への“出張”活動も
市内だけでなく、舞鶴市や与謝野町などの市外でも活動。24年6月からは毎月1回のペースで、地震被害の能登半島へ“出張”もしている。
能登では、石川県七尾市や輪島市で開き、リクエスト曲をかけながら、被災者らと交流。自分の趣味や仕事を生かして楽器演奏をしたりお茶をたてたりする人もいる。
メンバーの1人で、市内のイベントで炭火焙煎のコーヒーを販売している「Kandy(カンディー)」の神田良治さん(71)=上野=は心を込めた1杯をいれて出す。「コーヒーが嫌いだった人も『これだったら飲める』と喜んでもらっています」と言う。
出勤のたびに活動を目にして興味を持ち、ある日、谷口教授に声を掛けられたのをきっかけに常連となり、やがて仲間に加わった京都地方法務局福知山支局の吉川利彦支局長(56)。主に能登での支援に参加しており、「最初は被災された方に元気になってもらおうと努めましたが、回を重ねる度に交流が深まり、今ではこちらが元気をもらえるようになりました」と喜ぶ。
縁側カフェを始めてもうすぐ4年になる。谷口教授は「コロナ禍以降、住民らが集って語り合い、つながりをつくる場が減っている。縁側カフェのような取り組みは、レコードだけでなく、ボードゲームをするなど、いろんな手法で交流の場をつくっていくことができます。市内の各所で縁側カフェが生まれ、その輪が広がればうれしい」と期待を寄せる。
写真(クリックで拡大)上から
・研究会のメンバーや来訪者たち
・ポータブルプレーヤーで、レコードをかける谷口教授
・「レコードの音は哀愁があっていい」と言う大槻さん。さまざまなジャンルの盤を用意する
・コーヒーを飲み、ゆっくりとすごす
・カフェを訪れた人たちの交流が深まる
・メンバーがそろいのTシャツを着て応対する








