鉄道館フクレル深刻赤字 年度内に改善計画策定へ

2025年12月14日 のニュース

議会一般質問 答弁で方針示す

 京都府福知山市は11日、来館者数が想定よりも振るわず、赤字状態の福知山鉄道館フクレルについて、年度内に経営改善プランを策定する方針を示した。2024年度は目標の年間6万人に対し、実績は3万6907人にとどまり、今年度も11月末時点で2万3470人と、前年をさらに下回る可能性があるという。

 同日にあった市議会12月定例会の塩見聡議員(無所属・維新議員団)の一般質問の答弁で明らかにした。

 塩見議員は、整備前の22年に市が示した24年度の入館料収入の見込みは2550万円で黒字のシミュレーションだったが、実際の収支は1219万円の赤字となったことに触れ、当初の想定の甘さを指摘した。

 賛否が分かれる中で、関連の予算案が可決された経緯も踏まえ、「懸念していたことが現実となった。廃止も視野に入れた抜本的な見直しが必要」と訴えた。

 市産業部の西畑信寿部長は、体験型コンテンツの利用が伸びなかったことや、福知山城からの誘導が十分に取り込めなかったことを主な要因と説明。また、必要な職員数が想定より増えたことなどで支出が膨らんだとして、「当初のシミュレーションから大きく乖離しており、早急に対応しなければならない」と述べた。

 子ども向けイベントを定期開催するなどして入館者数の増加を図っていくほか、観光ツアーへの組み込み、平日の子育て世帯の利用促進などの取り組みも検討している。また、職員体制の見直しやイベント時の委託業務の直営化などで経費削減を進め、昨年度よりも数百万円規模の支出抑制を見込むが、今年度の黒字化は難しいという。

 市は「鉄道とともに発展してきた本市の歴史やアイデンティティーを体現する施設で、欠かせない」とし、今後、入館者のデータやアンケートの分析を進め、福知山鉄道館企画会議の意見も踏まえて、年度内に経営改善プランを策定。運営状況に応じて定期的に見直していく方針を示した。

 福知山鉄道館フクレルの24年度の決算収支については、市議会9月定例会決算審査委員会で吉見純男議員(共産党)が資料を請求し、市側が議員に示していた。

 

写真(クリックで拡大)=経営改善を図っていくフクレル

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