鬼や妖怪について考えるシンポジウム 教授や仮装者ら登壇
2025年12月10日 のニュース
鬼について語り合う「鬼シンポジウムinふくちやま2025」(世界鬼学会、日本鬼師の会主催)が6日、京都府福知山市大江町河守の大江町総合会館で開かれた。
パネルディスカッションでは、大江山に伝わる鬼退治伝説の“酒呑童子”に扮して同町を盛り上げる上野航さん、世界鬼学会の八木透会長、鬼瓦の製作集団・日本鬼師の会の菊地陽一郎会長、基調講演をした二松学舎大学文学部の小山聡子教授が登壇。鬼や妖怪について話し合った。
上野さんは「酒呑童子のコスプレをして地元の祭りに参加していると、妖怪コスプレイヤーたちが集まるようになり、新しいPR方法になると思った」と活動のきっかけを語り、大阪・関西万博の会場や大江で百鬼夜行(仮装行列)をしたことを紹介。「漫画などで、鬼や妖怪が登場する作品が多くなったことで一体一体の個性が深掘りされ、個性を大事にする今の若者に刺さってブームができているのでは」と意見を述べた。
小山教授から「すごく若者の力を感じます。酒呑童子のキャラ作りはどんな風に考え、どう発信をされていますか」と問われると、「キャラ作りがすごく難しい部分で、人間と鬼の雰囲気のどちらも大切にしています。力強い性格を演じる時もあります」と明かした。
会場の参加者から登壇者たちへの質問もあって盛り上がり、最後は八木会長が「コスプレなどで楽しむ若い世代が流行をけん引しています。古代からの鬼と現代の鬼のイメージの違いが、少しずつ見えてきた気がします。年配の方の中には、若者とまた違った感性で鬼に関心を持っている人もいて、互いをどうつなげていくかをこれから考えていきたい」と締めくくった。
小山教授は、基調講演では、人間が鬼に「優しくあってほしい」と願ってきたことなどを解説した。
写真(クリックで拡大)=鬼や妖怪について考えを述べる登壇者たち









