クマの緊急銃猟を府内で初訓練 関係者50人で手順確認

2025年11月22日 のニュース

 京都府福知山市は21日、クマなどが市街地など人の生活圏に出没した際に市町村長の判断で発砲できる「緊急銃猟」を想定した机上訓練を、市役所庁舎で行った。府や福知山署、狩猟団体代表者ら約50人が参加し、対策本部の設置から現場対応、発砲判断に至るまでの一連の流れを確認した。同様の訓練は府内初という。

 大橋一夫市長は「マニュアル内容の精査を目的に実施します。訓練で出てきた課題をしっかり解消し、適切な緊急銃猟が実施できるよう取り組み、市民の安全を守り抜いていきたい」とあいさつした。

 市の鳥獣対策員、望月優さん(33)が説明し、法改正により9月に始まった緊急銃猟制度の概要や、実施時の関係機関の役割、全国のクマ被害の状況などを共有。その後、担当課長が指揮する現地対策本部と、市長らで構成する庁内対策本部が別室に分かれて机上訓練に臨んだ。

 21日午前9時、小学校敷地内にクマが侵入したと想定。通報を受け職員が現地確認後、各対策本部を設置し、オンラインでやりとりしながら、児童や教職員の安全確保、半径200メートル圏内の交通規制、避難指示などを関係機関と連携して行う流れを確認した。

 クマが中庭に居座り、膠着状態が続く設定で、「銃猟以外の捕獲が困難」「人に危害がおよぶ恐れがない」など緊急銃猟が発動できる4つの条件に当てはまるかを確かめ、委託を受けた駆除隊員が発砲するまでの判断手順を検証した。

 市によると、市内でのクマの目撃件数は、昨年度は餌となるドングリなどの堅果類が凶作で147件と多かったが、今年度は並作のため10月末時点は63件と例年並みで、クマの出没は落ち着いているという。

 望月さんは「4つの条件のうち、周辺住民の安全確保が担保できないと本末転倒になるので、なるべく速やかに安全確保をしたい。クマも生き物なので、いろんなパターンを想定して柔軟に対応できるよう、関係機関と意見交換を重ねマニュアルをブラッシュアップしていきたい」と話していた。

福知山マラソンであすクマ対策

 福知山マラソン実行委員会は23日開催の福知山マラソンで、音によるクマ対策や目視による安全確認を行う。レース前に目撃情報があった場合、スタート時に目撃地付近で爆竹を使用するほか、車両によるコース周辺の目視確認、329人の走路監察員に新たにホイッスルを配備する。

写真上(クリックで拡大)=緊急銃猟を想定してクマのはくせいに模擬銃を向ける市職員
写真下(クリックで拡大)=木をかじるクマ(市提供)

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