内宮に観光・研究の拠点 公立大の山本教授、地域活性化に期待
2025年11月25日 のニュース
京都府福知山市大江町内宮に、周辺地域の活性化を進めるための活動拠点「大江リサーチベース(ORB)」が整備された。福知山公立大学情報学部の山本吉伸教授が学生の力を借りて改修し、すでに学生の実証実験の場として使われている。将来的には「道の駅」的なものにし、住民にも活用してもらいたいという。
山本教授は、内宮近くの毛原地区で地域通貨「けーら」の電子化に尽力。獣害対策としてICT(情報通信技術)を搭載した捕獲わなの設置を学生と進める中で、大江町の活性化には観光資源を生かした取り組みが必要と考え、地域活性化の核となる拠点施設を設けようと物件を探していた。
施設は、京都丹後鉄道・大江山口内宮駅近くに建つ築約50年の民家で、山本教授が借り受けて屋内外を改修。屋内は整った一方で、現在も学生たちと外構作業を続けている。
周辺には元伊勢内宮皇大神社や元伊勢外宮豊受大神社、毛原の棚田、二瀬川渓流、大江山などの観光名所が多く、当面はORBを観光客が立ち寄れる休憩場所とし、各所にスムーズに行けるようにする。
ゼミ生や大学院生が実証実験を行う場にもなっており、現在はICTを活用した野菜や加工品の「セルフ式の無人販売所」システムづくりに挑む大学院地域情報学専攻2年の水野翔太さんが準備を進めている。
屋内には学生たちが宿泊できる部屋も完備。屋外には簡易宿泊を目的にした小型のログハウス(6畳)4棟も設けた。
水野さんは「(大江リサーチベースは)研究に集中でき、地域の人たちとの交流もできそうな場所で、情報学の技術を使って、後輩たちにも残していける研究にしたい」と意気込む。
ゆくゆくは、小さな道の駅のようなスペースを設け、地域住民が栽培した野菜や加工品などを販売して、収入を得ることができる仕組みをめざす。資金調達ができれば、豪華で快適なキャンプが楽しめるグランピングや宿泊施設を整備する構想も抱く。
山本教授は「観光振興を図るうえで立地的には申し分のない場所。住民のみなさんから『ここで何かをやりたい』と言ってもらえ、そうした人たちにとってもうかるような施設になれば」と話している。
写真上(クリックで拡大)=ORBの前に立つ山本教授(右)と学生たち
写真下(クリックで拡大)=屋外には簡易宿泊を目的にしたログハウスも建てた










