AIで観光動画を自動生成、PR効果の実証実験 公立大4年泉井さん

2025年11月15日 のニュース

 京都府福知山市西小谷ケ丘、福知山公立大学情報学部4年生の泉井奏さん=神戸市=が、生成AI(人工知能)を活用した観光PRの実証実験に取り組んでいる。卒業研究の一環で、話題性のあるキーワードを盛り込んだショート動画を自動生成し、より多くの人に見てもらう手法を探っている。

 実験の背景には、地域の観光資源を知ってもらうことの難しさがある。泉井さんの指導教員、山本吉伸教授は「SNSに投稿した動画を多くの人に見てもらうには毎日の発信が重要だが、毎回のネタ探しや制作には大きな労力がかかる。特に知名度の低い観光地では、投稿が偶然に目に留まる機会も限られているのが現状」と指摘する。

 こうした課題を踏まえ、泉井さんはネット上で検索数上位のトレンドワードを取り入れた動画制作の仕組みを考案。複数の生成AIツールを使い、キャプション(説明文)、せりふ、アニメーションまで、ほぼ自動で作成できるテンプレート(ひな型)を作った。

 動画を制作する際は、テンプレートに必要な情報を入れるだけでよく、1本の動画が約20分で完成するという。

 現在は、大江町の観光スポット「大江山の雲海」を題材に実験を進めている。動画は見やすさなどを考慮して20秒ほど。酒呑童子をモチーフにしたキャラクターが登場し、トレンドワードや関連することについて語る内容となっている。

 実証実験は10日から16日までの7日間を予定。地元の佐藤秀樹さん(69)の協力を得て、佐藤さんのインスタグラムのアカウントで公開している。

 泉井さんは「魅力的な観光資源がたくさんあるのに、知られていない場所も多いと思います。動画を見た人が、少しでも福知山に興味を持つきっかけになればうれしいです」と話し、「今後は期間や題材を変えて効果を検証するほか、ほかの人にも動画を作ってもらい、誰でも簡単に動画制作ができる仕組みづくりをめざしたい」と意欲を見せている。

 

写真(クリックで拡大)=研究に取り組む泉井さんと動画の一場面

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