四コマまんが大賞 『ええアイデア』が最優秀 夜久野出身中川桂さん

2025年11月14日 のニュース

 京都府福知山市夜久野町大油子出身の会社員、中川桂さん(26)=大阪府寝屋川市=が、横山隆一記念まんが館主催の「4コマまんが大賞」の一般部門(中学生以上)で、最優秀のフクちゃん大賞を受賞した。作品は「4コマ漫画の作成をAIに頼むと…」という設定の『ええアイデア』。自信作が評価され、「大賞に選ばれてうれしい」と喜んでいる。

中川さんは福知山高校を卒業後、京都の大学、大学院でグラフィックデザインを学び、大阪市内のゲーム会社に就職して2年目。4コマ漫画を描いたことはなかったが、イラストを描くのが好きで、たまたま見つけた今回のコンテストに応募した。

「作品を出すからには、狙うは大賞のみ」と意気込み、過去の受賞作を分析。「時事ネタが多い」「文字が少なくて見やすい」「起承転結がはっきりしている」という共通点を見つけ、これを基に案を考えた。

時事ネタとして、AI、コメ、ジェンダーにテーマを絞り、その中からAIを選び、仕事をしながら創作活動にあたった。苦労もあったというが、構想から1カ月ほどかけて、無駄を可能な限りそぎ落とし、しっかりオチのある作品に仕上げた。

 タイトルは、AIとかけた『ええアイデア』で、AIが生成した4コマのアイデアの中に、作者が取り込まれている様子を表現。アイデアを容易に得られる時代の創作の危うさ、虚しさを表現している。

審査員で漫画家の矢野徳さんが「AIならではのミステリアスなオチで笑わせ、考えさせる作品になっていて感心しました。絵も見事! タイトルのダジャレも効いていてベリーグー!」とコメントするほど高く評価され、大賞と賞金50万円を手にした。

中川さんは「これを機に漫画家に転身するという思いはないですが、これからも漫画に限らず創作活動は続けていきたい。AIを題材にしていますが、逆にアイデアに悩み、アナログで何度も描いた日々が、大切だということに気付かされました。この経験は仕事にも生かしていきたい」と話す。

また「2022年に福知山市が募集したゼロカーボンシティのロゴマーク募集に作品を出すなどしていて、得意なグラフィックデザインで、地元に貢献したいという気持ちがあります。これからも、そのような公募があれば、積極的に出していきたい」と、古里への思いも語っていた。

4コマまんが大賞は、高知県出身の漫画家、横山隆一さんの功績を記念し、2005年に創設された。一般部門とジュニア部門があり、今回は45都道府県のほか、オーストラリアと台湾からも応募があり、1770点(うち一般部門1015点)が集まった。

矢野さん、漫画家のくさか里樹さんが審査し、フクちゃん大賞、高知市長賞などの入選作品を選出。中川さんの作品を含む受賞作品、一次審査通過作品は、29日から12月27日まで同まんが館で開催される作品展で展示される。


写真上(クリックで拡大)=中川さんの四コマ漫画(横山隆一記念まんが館提供)
写真下(クリックで拡大)=大賞選出を喜ぶ中川さん

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