踏切事故想定し合同訓練 JR西日本近畿統括本部 警察や消防と連携
2025年10月24日 のニュース
2005年4月に発生したJR宝塚線(福知山線)脱線事故の教訓を踏まえ、JR西日本近畿統括本部(冨本直樹本部長)は22日、京都府福知山市半田の吹田総合車両所福知山支所で、列車事故総合訓練をした。踏切内での事故を想定した訓練で、鉄道、警察、消防関係者が連携を取り、情報収集や負傷者の救出などに臨んだ。
近畿統括本部は、同事故の翌年から、列車事故発生時の乗客の救護と併発事故の阻止を最優先に、避難誘導や情報伝達などに関わる対応能力向上のため、年に2回、各地で訓練を実施していて、福知山市内では2020年以来となる。
JR社員のほか、福知山署、福知山消防署などから計約140人が参加。訓練は、福知山駅-石原駅間を列車が走行中、踏切内に進入してきた乗用車と衝突して脱線し、乗客約40人のうち約30人が重軽傷を負った-という想定で行われた。
訓練では、事故発生直後に乗務員が車外に出て、併発事故を防ぐため赤い炎と煙を出す信号炎管を線路わきに置き、消防や警察などに連絡した。
駆け付けた署員や救急隊員らは車内に入り、負傷者らの避難誘導にあたった。重傷者は担架に乗せ救出。車外で治療の優先順位を決めるトリアージもして、緊急性の高い負傷者から搬送した。
参加者たちは連携を取りながら、本番さながらに救助や情報伝達などの対応の手順を確認していた。
訓練を終え、同本部安全推進部の懸田剛一課長(52)は「訓練で事故発生後の警察や消防の動きがよく分かりました。いざという時に体が自然に動くよう、今後もお客様の命を守るという意識を高めるため、訓練を続けていきたい」と話していた。
写真(クリックで拡大)=列車から負傷者を担架で搬出する参加者たち









