人口9人の集落に70人超 愛川こうじさんの凱旋歌謡ショー 住民が一緒に盛り上げ

2025年10月15日 のニュース

 京都府福知山市三和町田ノ谷自治会(岩見義隆自治会長、5世帯・9人)は13日、地元公民館で「田ノ谷活き生き交流会」を開き、同郷の演歌歌手・愛川こうじさん(71)=京都市=をゲストに迎えた「おかえり歌謡ショー」を開催した。愛川さんの歌唱に加え、住民たちも応援うちわや掛け声でステージを盛り上げ、過疎化が進む地域に笑顔と活気を呼んだ。

愛川さんは田ノ谷の隣、中出の出身。三和中学校を卒業後は神戸市内で働き、テレビで歌う五木ひろしさんに憧れて演歌歌手を志した。23歳でデビューしたが、紆余曲折を経て37歳で引退。バスの運転手として働きながら、心の片隅で歌手としての思いを温め続けた。

67歳で再デビューを果たし、今年3月、三和町と兵庫県丹波市をつなぐ三春峠を越え、15歳で古里を離れた経験など、自身の人生を詰め込んで作詞・作曲した「三春峠」をリリースした。

新聞記事きっかけ 後輩が出演依頼

交流会への出演は、旧細見小学校中出分校、三和中学校時代の1学年後輩だった足立隆幸さん(69)=田ノ谷=が企画。愛川さんの新曲リリースを伝えた4月3日付の両丹日日新聞を見た足立さんが、出演を依頼し凱旋ステージが実現した。

当日は、人口9人の集落に70人以上が集まった。同町の音楽ユニット「ウバラッシーモ」らの演奏に続き、公民館横の芝生広場に設けた特設ステージで歌謡ショーが始まった。

ステージでは「三春峠」のほか、古里に帰ってきた情景を歌った「帰ってきたよ」、北島三郎さんの「まつり」など全8曲を熱唱。途中、声帯模写コーナーもあり、昭和の漫才師を面白おかしく真似て、観客の笑いを誘った。

また、観客からは掛け声のほか、田ノ谷自治会女性部の5人が「おかえりこうちゃん」などと書いた手作りの応援うちわを手に声援を送り、会場は一体感に包まれていた。

愛川さんは「同級生や会社の先輩も駆けつけてくれ、古里を思って作った曲をみなさんの前で披露でき感無量です。これからも大切に歌い続けたい」と話した。岩見自治会長(73)は「この地域にこんなに大勢の人が見えたのは何十年ぶりじゃないかと思う。普段は静かな集落がにぎわい、うれしかったです」と笑顔を見せた。


写真上(クリックで拡大)=力強い歌声を披露する愛川さん
写真下(クリックで拡大)=自治会女性部が手作りうちわで応援

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