身近な金メダリストに憧れ ろうあ者の全国卓球大会へ 成美高1年富永和奏選手
2025年10月10日 のニュース
京都府福知山市水内、福知山成美高校女子卓球部1年の富永和奏選手=青葉中出身=は、身近なデフリンピック(聴覚障害者のための五輪)金メダリストに憧れて、第48回全国ろうあ者卓球選手権大会(一般社団法人日本ろうあ者卓球協会主催)一般の部女子に出場する。9月20日に埼玉県で行われた予選会で出場権をつかみ取った。
富永選手は生まれつき両耳が聞こえづらく、補聴器をつけて日常生活を送っている。小学生の時には地元舞鶴市内のろう学校に通った。卓球は東京オリンピックを見て中学生の時から始め、さらに技術を磨こうと成美高校に進学した。
同じろう学校出身の先輩には、デフリンピック2013年大会女子卓球金メダリストの南方萌(旧姓・上田)選手がいて、その憧れから、全国大会出場をめざして予選会にエントリーした。
男女別のシングルス戦があり、女子の予選には全国から13人が出場。11点先取の5ゲームマッチでトーナメントを行い、試合中は補聴器を外すルールとなっている。
富永選手は1回戦で敗れたが、3人による敗者復活戦に臨み、2戦とも3-0で突破して全国出場を決めた。「敗者復活の1戦目に集中力を発揮して勝つことができ、勢いで次も押し切りました。補聴器を外すとほとんど音が聞こえなくなりますが、精神面でも自分をコントロールできたと思います」と振り返る。
全国大会で活躍が認められると、日本代表につながる強化指定選手に選ばれる可能性もある。「全国のレベルはすごく高いですが、自分がどこまで行けるか挑戦したい。強化指定選手に選ばれるような結果を残したい」と力を込める。
全国大会は来年3月、静岡県富士市のエスプラットフジスパーク体育館で開かれる。
写真(クリックで拡大)=全国大会に出場する富永選手