子が主人公の新時代語る 北部私学フェスタで尾木直樹さんが講演

2025年10月08日 のニュース

 教育評論家の“尾木ママ”こと尾木直樹さんの講演会が4日、京都府福知山市役所隣のハピネスふくちやまで開かれた。「子ども新時代の子育てと教育」の演題で、これからの子どもを取り巻く環境などについて、ユーモアを交えながら、物腰柔らかな口調で語った。

 尾木さんは近年、子どもの人権を守る法制化が急速に進んだことを話し、国内ではこども基本法が施行され、こども家庭庁が発足したこと▽国際的には国連子どもの権利委員会が、自然環境に対する子どもの意見を考慮すべきとする指針を示したことなどを紹介。

 「子どもにとって数十年後の地球環境問題は切迫感が全然違う。子どもの意見を中心に置いて社会の在り方を捉える『こどもまんなか社会』でないと成り立たない状況になってきた」と話した。

 思春期の子どもへの向き合い方についても触れ、「反抗期は自立しようとしている表れで大歓迎。その時に友だちが周りにいるかを気に掛けてあげてほしい」としつつ「反抗期がない『親子共依存』の家庭が多くなっている」と危惧した。

 また、思春期は脳の回転数が上がる独特な時期で、「言いなりになる必要はないけど『あなたはどう思うの?』と子どもを主語にして意見を聞き取ることが大事」と子どもの考えに寄り添う大切さを強調した。

 来場者からの「いじめ問題で大人が気を付けることは」という質問に対し、「加害者、被害者になっていないかを気に掛けて、ささいな変化があったらしつこくは聞かず『どうしたの? よかったら話してくれる』と声を掛け、家などの居場所の保証をしてあげてほしい」と伝えた。

 講演は福知山成美、京都共栄学園、福知山淑徳など府北部の私学6高校が主催する「北部私学フェスタ2025」として開催。約200人が聴講した。


写真
(クリックで拡大)=熱弁をふるう尾木さん

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