より長く、安全に 高齢者の運転継続支援する研修会
2025年09月26日 のニュース
生活に車が欠かせない高齢者が、より長く、安全に運転を続けられるよう支援する研修会が25日、京都府福知山市駅前町の市民交流プラザで開かれた。65歳以上の23人が参加し、シミュレーターなどを使って自身の運転能力を確かめ、安全運転への意識を高めた。府交通安全協会、福知山交通安全協会、惇明地区公民館の共催。
高齢ドライバーを巡っては免許証の自主返納が呼びかけられる一方、府北部などの地方では、車を手放すと生活の質の低下、社会交流の機会減少につながり、認知症などの要因になるとの懸念もある。
このため府協会は、高齢者安全運転支援事業として4年ほど前から府内各地で研修会を実施しており、福知山では今回が初開催となった。
府協会の中邨仁・事務局長(66)は「年齢とともに変化した自身の認知機能を理解してもらい、慎重かつ安全な運転を心掛けるきっかけになれば」と期待する。
研修会では、初めに福知山署交通課の山下人司宜課長が市内の交通事故発生状況と注意点を解説。その後、参加者は2班に分かれ、認知・身体機能を確かめる体験や、道路映像を見ながら危険箇所を予測するトレーニングに取り組んだ。
運転シミュレーター体験では、モニターに映る指示に従ってハンドルやアクセルを操作し、その正確性と反応速度を測定。また、複数あるボタンの中から指定の色に光ったボタンを素早く押す訓練も行い、判断力や瞬発力も確かめた。
後半には中邨事務局長による講話があり、頭の体操を生かした運動法を紹介。「運転に必要な認知機能は年齢とともに低下しますが、意識的なトレーニングで維持・向上も可能です。無理のない範囲で続けてほしい」と呼びかけた。
参加した市内在住の女性(82)は「体力の変化を感じることはありますが、外に出て運転できることで元気に過ごせているとも思っています。家族にも安心してもらえるよう、今回教わったことを生かして安全運転を心掛けたいです」と話していた。
写真(クリックで拡大)=シミュレーターを使って運転能力を確かめた