高齢化も「みんなで担ぐ」 創建500年祭に向け、軽い神輿を準備 三和町の春日神社

2025年09月09日 のニュース

 いつまでも自分たちで神輿を担ぎたい-。京都府福知山市三和町高杉の住民たちが、10月4日に営む春日神社の創建500年祭に向け、新しい神輿の準備を進めている。少子高齢化が進む中でも、「今いる住民で担げる神輿を作ろう」と、子ども神輿を活用した新しい“巡行神輿”の飾り付けに取り組んでいる。

 同神社は江戸時代の弘化2年(1845)に、金5両で同町芦渕地区から神輿を譲り受けた。その後、保管用の土蔵を建て、神輿に獅子頭を付けたなど、氏子たちの熱意を示す記録が残っている。

 秋祭りでは、高杉地区内の東西南北に鎮座する守り神を巡る神輿渡御で盛り上がり、神輿が休む御旅所では、近所の人が小銭を休憩中の神輿にまき、その下にもぐってみんなが小銭を拾う「お金まき」といった風習もあった。

 地区は現在26戸59人で、大人20人ほどで担いでいた従来の神輿での巡行は難しい。台車に載せたり、軽トラックを使う方法もあるが、「地域が高齢化しても盛り上がっていきたい」と、自分たちで担ぐことにこだわった。

 そこで、1979年ごろに、子どもたちでも担げるように用意された酒樽を使った神輿を使っていくことに決めた。7月ごろから準備に取り掛かり、毎日5、6人が境内に集まり、1時間ほど作業を進めている。神様を載せる祠を、酒樽の上から、より安定する前面に移動させたり、酒樽に紅白の布を巻いたり、市販の花や鳳凰飾りを取り付けるなどしている。

 7日にも作業をし、紅白のロープを取り付けるなど、華やかな装いに仕上がりつつある。飾り付けを中心で担う上田孝博さん(66)は「高齢化しても、地域は地域で守っていくという思いがみんなにあります。これからの500年を地域で盛り上げられるよう作っています」と力を込める。

 500年祭では、これまでの本神輿から新たな巡行神輿にバトンを渡し、住民たちが地区内を練り歩く。当日は午前9時からの祭礼の後、もともとの持ち主だった芦渕の住民らが本神輿を担いで境内まで運び、新しい巡行神輿へ引き継ぐセレモニーを行う。それから神輿巡行をし、八幡太鼓の演奏、地域出身者の子どもらによる奉納相撲、餅まきをして盛り上がる。

 500年祭の実行委員長を務める清水喜代一さん(75)は「地区に縁のある人も招いており、総出でにぎやかにお祝いができたらと思っています。祭りを機会に帰って来やすい雰囲気が作れれば」と話す。

神社周辺の景観向上も

 地区では、500年祭後にも地域が盛り上がるようにと、同神社周辺の景観向上にも取り組む。同神社裏山では、3年ほど前の台風で倒木があり、樹木を伐採。跡地には500年祭後に、桜、モミジ、ナンテンを植え、春、秋、冬と花や紅葉が楽しめるようにしていく。

写真(クリックで拡大)=新たな神輿に飾り付けをする住民たち

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