サクラを食い荒らす「クビアカ」防除講習会 市民の協力と対策の継続を
2025年09月05日 のニュース
サクラやウメ、モモなどの木を枯死させる特定外来生物・クビアカツヤカミキリの防除対策を知る府主催の講習会が2日、京都府福知山市駅前町の市民交流プラザで開かれた。府内の被害は昨夏以降、5市に拡大。講師の樹木医、宗實久義さんは「発見が遅れるとひどい状況になる。早期発見のため、市民の協力が欠かせない」と強調した。
国内では16都府県に被害が広がっている。京都府によると、府内では昨年7月に京都市でサクラの被害が発見されて以降、福知山市三和町など5市でサクラ、ウメ、モモなど118本の被害木が確認されている。
成虫の体長が約2センチ~4センチのクビアカツヤカミキリは、サクラ、ウメ、モモ、スモモなどの樹木に付き、木の内部から食い荒らすのが特徴。木からは、幼虫のフンと木くずが混ざったフラスが1年中出ていて、被害を受けている目印になる。
宗實さんは被害が出ていても気付かれないことがあるとして、「いかに多くの目でみなさんに見つけていただくかが、対策の基本です」と主張。防除対策は成虫の捕殺、被害木へのネット巻き、薬剤処理、伐採・処分などあるが、「対策の決め手は、継続できるかどうか」だとした。
兵庫県明石市では、高校生が自主的にフラスの調査をしたり、小学校に出向いてクビアカツヤカミキリの怖さや生態を教えている事例を紹介。「あすにつながる取り組み。クビアカの被害は今年や来年で終わるわけではない。世代をつないでみなさんに理解してもらい、対策を打つことが大切です」と話した。
三和町内では府内の被害木全体の半数近い51本が確認されている。今のところ町内のみだが、「市内の他の地域にも入っているかもしれない。みなさんに早期発見をお願いしてほしい」と呼びかけた。
講習会は行政機関や造園業者ら15人が受講。西本町の末広公園では、宗實さんがソメイヨシノの幹を使ってネットの巻き付け方を実演、業者が薬剤を注入する様子を見せた。
写真(クリックで拡大)=末広公園でネットをかけながら説明する宗實さん(右から2人目)