福知山で稲刈り進む 猛暑に水不足で「品質低下、収穫減」心配
2025年08月27日 のニュース
昨年からのコメ不足と価格高騰などで、今年度産米に注目が集まるなか、京都府福知山市内でも稲刈りが進んでいる。生産者は、今夏の猛暑、水不足の影響で収量の減少や品質の低下などを心配しながら、コンバインを動かしている。
■酒米減産懸念し昨年同様の作付け・鬼の里農園■
「五百万石」「京の輝き」といった酒米を主に、主食用米のコシヒカリも栽培する農事組合法人「鬼の里農園」(廣瀬敬治代表理事)=大江町波美=は、昨夏からの「令和の米騒動」で、今年は主食用米の植え付け面積を増やすことも考えたが、全体に酒米が減ることを懸念し、昨年とほぼ同様の割合にした。
同農園は波美や金屋など約20㌶で水稲を栽培。高温少雨によって一部では穂が枯れているという。
稲刈り初日の23日は五百万石を収穫した。同農園で15年ほど作業を続けている廣瀬代表(77)は「宮川からポンプで水を確保していますが、水量が少なく、田んぼ全体に行きわたりませんでした。こんなことは初めてのことです。収量は減り、品質は落ちるかもしれません」と話す。
■主食用米栽培は昨年より5㌶増・味歩里■
牧の農業生産法人株式会社味歩里(桐村正典社長)は、コメ不足問題などに対応しようと、主食用米のコシヒカリの作付け面積を昨年より5㌶分増やし、稲刈りシーズンを迎えた。
コシヒカリや京式部のほか、酒米ともち米を約21㌶で栽培。桐村社長(66)は「収量と品質を心配しています。(昨年度産米は)価格を安く設定したのでよく売れましたが、持続的にしようと思うと、人件費と肥料などの資材の高騰に見合った価格にしたいと考えています」とする。
稲刈りは10月上旬まで続きそうで、「消費者の方に喜んでいただける新米を9月中旬には提供できるようにしたい」と話していた。
写真上(クリックで拡大)=酒米を収穫(鬼の里農園、大江町で)
写真下(クリックで拡大)=収穫されたコシヒカリ(味歩里、下天津で)