虫除けの火をたき豊作祈願 大江町佛性寺の伝統行事 一つの組だけが継承
2025年08月26日 のニュース
京都府福知山市大江町佛性寺で23日夕、虫除けのための火をたき、豊作を願う行事があった。古くから続く伝統行事で、自治会の中の一つの組だけが続けていて、今年も伝統を絶やすことなく、無事に終えた。
同地区は昔から農家が多かったため、大切に育ててきた作物を荒らす害虫を追い払う虫除けの行事が行われてきた。
以前は地区内の各組が橋のたもとなど決まった場所で、竹の先端に松の束をくくり付けて立たせ、それを燃やしていた。
ところが少子高齢化で行事の参加者が減り、よく燃える松の確保も難しくなったため、30年ほど前からは山沿いにある寺院・如来院周辺の「三組」だけが、たいまつの代わりにまきを燃やす簡素な形で伝統行事を守り続けている。
例年だと8月24日にしているが、住民たちの都合で23日に実施。午後6時ごろに、住民5人が如来院駐車場そばの空き地に集まり、自宅から持ち寄ったまきを、同寺から持ってきた火種を付けて燃やした。
住民たちは山手にある火の神、愛宕神社に向かって手を合わせ、「ときの声あげましょう」「もう一声あげましょう」と唱和し、五穀豊穣を願った。
最初から終わりまで1分たらずの行事だが、住民たちは今年も決まった作法でやり遂げた。
三組組長の臼井康則さん(67)は「昔は各組で盛大に行っていました。三組も参加する人数が少なくなってきましたが、将来に向けて伝統ある行事を続けていきたい」と話していた。
写真(クリックで拡大)=手を合わせて「ときの声あげましょう」などと唱和する住民たち