降雨と五穀豊穣願って、子らが元気に駆ける 多保市で「笹ばやし」
2025年08月18日 のニュース
江戸時代から続く雨乞い祭り「笹ばやし」が16日夜、京都府福知山市多保市で営まれた。子どもたちが笹を振って走る「笹ぶり」をして、五穀豊穣を願った。
多保市にある天神社の祭礼で、寛文9年(1669)に、百日間にわたる大干ばつが発生したため、当時の福知山藩主・朽木稙昌が命じて始まったといわれる。2017年には、府無形民俗文化財に指定された。
周辺6自治会の住民らが参加。集落内の立石で神事をしたあと、12個のちょうちんを付けた「十二まとい」を持つ人や笛、太鼓などの囃子方らが天神社に向け出発した。
笹ぶりは、大人たちが棒で堰に見たてた柵を作り、待ち構えたところに、子どもたちが笹を振りながら駆け寄り、柵をたたいて崩し、駆け抜けることで、「堰があふれるほどの雨が降る」ことを表現する。
今年は六人部小学校4~6年生約35人が参加。堰は同神社までの間5カ所に設けられ、子どもたちは水を付けた笹を持ち、「わー」と声を上げながら突進。堰を破ると勢いよく駆け抜けた。
沿道では多くの人たちが見物。子どもたちの元気な姿に目を細めていた。初めて笹ふりを経験した6年生の畑中逸冴君は「友だちに誘われ参加しました。思いっ切り笹を振ることができ、とても楽しかった」と話していた。
巡行には飾り屋台の山車も加わった。今年はNHK大河ドラマ「べらぼう」をテーマにした人形を飾った。
写真(クリックで拡大)=笹を振り、堰に見立てた柵を崩す子どもたち