70年続く伝統を次代へ CFで支援を呼びかけ 丹波大文字保存会

2025年08月08日 のニュース

 京都府福知山市新庄、奥野部両自治会の有志で組織する丹波大文字保存会(和久唯知郎会長)は、「丹波大文字送り火」に使う運搬用モノレールの修繕費などを募るクラウドファンディング(CF)を実施している。70年以上続く伝統行事を次代に残していくため、多くの人たちの協力を求めている。

 市内の姫髪山(標高406メートル)の山頂付近に「大」の火文字を浮かび上がらせる丹波大文字送り火は、京都市の五山の送り火にならって、盆に迎えた先祖の霊を送る夏の伝統行事。市仏教振興会が1952年(昭和27年)に新庄、奥野部地区の住民たちの協力を得て始めた。

 現在、送り火は保存会と振興会が共催で実施しており、今年も16日に行う。運営費は毎年、自治会を通じて市民に協賛金を募り、集まった浄財は送り火当日の法要やまき代、火床の整備などに充てている。

 しかし、人口減少や若者の宗教行事離れを背景に年々協賛金が減少している。伝統行事を支える保存会員の高齢化もあり、今後、どのように継続させていくかが課題となっている。

30年以上経過しモノレール劣化

 保存会は、2年前に初めてクラウドファンディングを実施。今年も森の京都DMOの協力を得て取り組み、目標金額は70万円。20日まで受け付けている。

 ふもとから山の上の火床まで、まきなどを運搬するために約30年前に設置したモノレールは、長年の使用で劣化し、エンジンの馬力が低下している。

 傾斜がきつい坂道では頻繁にエンジンが止まり、そのたびに下車して修理する。手押しで前に進めざるを得ない時もあり、必要なまきを上げるために倍以上の時間がかかるようになっている。

 資金はCFサイト「キャンプファイヤー」で募っている。支援プランは3千円から5万円まで5つあり、地元産米や厄除けの消し炭などが返礼品となっている。

 保存会の和久会長(70)は「これまでに頂いた支援金は、モノレールの一部パーツ交換などに活用させていただいております。しかし、まだまだ課題は山積みで、それに伴う費用は膨大です。盆の終わりにご先祖さまを送る、福知山の伝統の『灯』を後世に残していくため、みなさまのご協力をよろしくお願い申し上げます」と話している。

写真(クリックで拡大)=老朽化したモノレールを手押しする保存会員たち

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