放課後児童クラブなど、来年度からの値上げ検討 市が子育て会議で意見聴取
2025年07月30日 のニュース
京都府福知山市は、放課後児童クラブの月額使用料と公立保育園とこども園の給食費について、来年度からの値上げを検討している。28日には市子ども・子育て会議(夜久豊基会長)を開き、改定案への意見を聴取した。「やむを得ない」との意見が多かったが、ベビーファースト宣言直後の値上げに疑問の声もあった。
放課後児童クラブは、近年の需要増加に伴い人件費などの運営費が大幅に上昇しているが、使用料は2018年度から据え置かれている。全体の運営費に対する利用者の負担割合は、2022年度が31・1%だったが、市の試算では25年度で17・2%にまで低下する見込み。
利用者負担割合が低下しているのに対し、市の一般財源からの支出は増加しているため、持続可能な制度維持のため値上げを検討することにした。
長期休み期間を含むフルの使用でみると、年額6万7500円から7万8500円に増額。年増額分は1万1千円、月増額分は915円とするよう見直したい考え。
給食費については、物価などの上昇により、食材費が値上がりしている状況を受けたもの。公立の保育園、子ども園の全6園で、現行の給食費(おやつあり)月額4500円から4900円に、400円値上げする方針にしている。
これらに対する意見を集めるため、子ども、子育て支援に関する重要な事項を審議する同会議を急きょ開催。市民生児童委員連盟、市保育協会などの委員12人のうち8人が出席し、それぞれ所見を述べた。
「物価や人件費が高騰するなか、仕方がない」との声が多かった一方で、市は4月にベビーファースト宣言を発表したばかりで、値上げに違和感を抱く委員もいた。「児童クラブの使用料は、激変緩和措置として、段階的に上げる方が良いのでは」という提案もあった。
いずれも、今回の意見を参考に案を最終決定し、放課後児童クラブの値上げは、条例改正が必要なため、市議会9月定例会に提案する予定。公立保育園、こども園の給食費は値上げする場合、利用者への周知を図るなどして進めていく。
写真(クリックで拡大)=担当課からの説明に耳を傾ける委員