参院選の投票率上昇の裏側で―高齢女性、自力で投票所へは困難「やむを得ず棄権」

2025年07月28日 のニュース

 20日に投開票された参議院議員選挙は、全国的に2022年の前回選を上回る投票率となり、京都府福知山市でも57・89%と8・08ポイント上昇した。一方で、市内周辺部で一人暮らしをする85歳の女性からは「投票に行きたくても手段がなく、やむを得ず棄権した」との声が両丹日日新聞社に寄せられた。

周辺部で一人暮らし「何か手立ては」

 女性の自宅から投票所までは約2㌔ある。要介護1の認定を受け、普段は杖をついて生活している女性にとって、歩いて行くのは困難だった。公共交通機関を使おうにも、バス停が近くにない。猛暑も重なり、夫を亡くして以降は、外出そのものが大きな負担になっている。国会中継を見るなど政治に関心はあるが、今回を含め直近2回の選挙は棄権するしかなかった。

 「今後は、投票の意思があっても行けない私のような高齢者が、周辺部ではさらに増えていくと思う。テレビで移動式の期日前投票バスを導入している自治体を見た。何か手立てはないものか」と女性は話し、投票機会の確保を訴える。

市選管「手段検討」

 福知山市選挙管理委員会事務局は「バスを活用した移動式の期日前投票所やショッピングモールでの期日前投票、高齢者の交通支援など、他市町の取り組みも参考にしながら、さまざまな投票手段がそろえられるよう、今後検討していきたい」としている。

 参院選の全国の投票率(選挙区)は58・51%で、前回を6・46ポイント上回った。福知山市も同様の傾向を示したが、高齢者や交通弱者にとっては依然として投票環境に課題が残る。誰もが等しく選挙に参加できる仕組みづくりが、改めて問われている。


写真(クリックで拡大)=誰もが等しく投票できる環境を

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