丹波くりに全国から熱視線 夜久野町小倉藤原孝一さんの栗園に農家ら20人視察

2025年07月11日 のニュース

 高品質な丹波くりを栽培する京都府福知山市夜久野町小倉の藤原孝一さん(66)のもとに5日、京都や大阪、栃木などから栗農家ら約20人が視察に訪れた。果樹の苗木同士を接ぎ木して連結させる「ジョイント栽培」を採用するなど、独自の技法を実践する藤原さんが、栗園を案内しながら自身の知識や工夫を惜しみなく伝えた。

 藤原さんは祖父から引き継いだ約2ヘクタールの栗園で丹波くりの「ぽろたん」「ぽろすけ」「美玖里」など計1千本を無農薬で栽培している。育てたクリの評価は高く、過去に「丹波くり広域品評会」で最優秀賞を受賞したほか、2020、22年度には市の「ふくちやまのエエもん」の認定を受けた。

 藤原さんが栗園の一部で取り組むジョイント栽培は、主にナシやリンゴの栽培に使用される技法で、クリ栽培に取り入れられている例は全国的にも珍しいという。

 メリットは木の高さを低く抑えることができ、枝への日当たりも良くなることから、作業の大幅な省力化や甘くておいしい実が期待できる。一方で、接ぎ木には技術が必要で、どこかの木が枯れると連なる全ての木が枯れてしまうリスクもあるというが、6年ほど前から同栽培を実践する藤原さんの栗園では順調に成長し、収穫もできていて、全国の栗農家の注目を集めている。

肥料や剪定方法も惜しみなく伝授

 農園への視察はこれまでにも要望があれば受け入れていて、今回は30代~80代の栗栽培に関わる人らが訪れた。

 藤原さんはジョイント栽培の説明をはじめ、栗園で使用する肥料や木を植える間隔、剪定方法など、栽培の工夫を惜しみなく紹介。参加者からの質問にも一つひとつ丁寧に答え、「クリ栽培は気候や土壌などの条件に細かな影響を受けるため『これが正解』という方法は存在しない。自分の土地に合う方法は何かと常に考え、試行し続けることが大切」などと呼びかけた。

 栃木県で栗園を営む水野智仁さん(33)は「全国的に有名な丹波くりを生産し、ジョイント栽培にも取り組まれていると知り、視察をお願いしました。技術以外にも学ぶべきことがたくさんあり、自分の栗園でも生かしたい」と話していた。

 視察は栗園のほか、糖度を高めながら長期間の保管が可能な「氷蔵庫」の見学もした。

 藤原さんは「わざわざ遠方から京都の田舎へ来られるということは、それだけ注目してもらっているのだとうれしく思いますし、伝えられることは全て伝えるようにしています。千年以上の歴史がある丹波くりは全国に誇れるブランド。その魅力を高め、広めていけるよう、今後も質の良いクリ栽培を続けていきたい」と語った。

 

写真(クリックで拡大)=栗園で栽培方法などを語る藤原さん

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