雲原川のドラム缶転がし、スタッフ不足などで今年で最後の開催に
2025年06月29日 のニュース
京都府福知山市雲原の自然のなかでユニークな競技を仲間と楽しむ「ドラム缶転がしタイムレース」が、7月21日に最終回を迎える。2007年にスタートし、今回が19回目。スタッフの人員不足などにより幕を下ろすが、主催する雲原砂防イベント実行委員会(西原正範委員長)は、これまで支えてきてくれた人たちに感謝して、「全国でもここでしか開催していない競技です。ファイナルの今回も多くの参加を」と呼びかけている。申し込みは14日まで。
ドラム缶レースが始まったのは、地元の砂防施設「雲原砂防関連施設群」が、06年に国の登録記念物に指定されたことがきっかけ。砂防は、山から流出する土砂を川の下流へ流れ出るのを抑えたり、調節したりする施設で、地区を流れる雲原川を利用したタイムレースを指定の翌年に実施した。
当時は、公誠小学校と北陵中学校の学校存続問題が持ち上がっていて、地域を盛り上げて移住・定住につなげられるようなイベントをしようという住民の熱い思いが根底にあった。
どこもしていないことをしようと思いついたのが、世界初をうたい、母なる雲原川でドラム缶を使うレース。「競技として成立するか」「どうして面白くするか」など、ルール作りを一から考えて実現にこぎ着けた。
珍しいレースはテレビでも紹介
独創性が高い取り組みに注目が集まり、一般市民のほか、ABC系のテレビ番組「ナニコレ珍百景」チームとして野村将希さんや竹原慎二さんら、別のテレビ番組でもアイドルグループの元AKB48の大家志津香さんらが出場したこともある。
イベントをきっかけに雲原のファンになり、地区外から運営企画に参加する人たちが現れるなど交流を広げてきたが、スタッフの高齢化や人員不足、他の定期的なイベントへの切り替えを視野に終了することを決めた。
立ち上げから関わってきた同実行委の渡邉重則事務局長は「ここまで続けてこられたのは出場してくれたみなさん、『しんどい』といいながらもスタッフとして手伝ってくれたりした地元の人の理解、その他多くの人のおかげです」とし、19回目の参加も呼びかけ、「良い思い出にしてもらえたらうれしい」と話している。
今回は、旧公誠小下の雲原川特設コースで行う。午前9時から開会式をする。タイムレースは1チーム4人で距離は150メートル。一般の部は30組、女子の部は10組、ちびっ子・親子は30組(残りわずか)で、それぞれ先着順。参加費は1チーム3千円、ちびっ子・親子は1人500円。専用フォームから申し込む。小雨決行だが、河川の状況によって中止する場合がある。
当日は、1バケツ1500円で魚つかみ大会(午前10時30分~11時30分)をするほか、飲食の屋台の出店、雲原砂防展示・模型実験コーナーもある。
問い合わせは携帯電話090・7495・7286の渡邉事務局長まで。
写真上(クリックで拡大)=レース最後にドラム缶を持ち上げる出場者(一般の部)
写真下(クリックで拡大)=2023年のレース