こうの史代さん描き下ろし 架空の映画看板が登場 福知山シネマ
2025年06月28日 のニュース
京都府福知山市広小路通りにある映画館・福知山シネマの外壁に、上映予定のない“架空の映画看板”を描いた懸垂幕が2枚掲げられている。内記一丁目の市佐藤太清記念美術館で開催されている、市内在住の漫画家・こうの史代さん(56)の画業30周年記念展覧会に合わせて、こうのさんが描き下ろしたもの。上映中の作品の看板に交ざり、やわらかなタッチの大きなイラストが、道行く人の目を引いている。
展覧会の連動企画として、こうのさんが始動させた「こうの史代まちなかお絵かきプロジェクト」の一環。こうのさんは、同シネマでトークショーやサイン会を行うなど、長年交流をしてきた。その縁から「ともにまちを盛り上げられたら」と、同シネマが外壁を“キャンバス”として提供し、取り組みが実現した。
懸垂幕の大きさは縦3・3メートル、横76センチ。それぞれ4月に発売されたこうのさんの最新作「空色心経」「ヒジヤマさん 星の音 森のうた」の登場人物が、「3025年16月封切!」など、ユーモアのある一文を添えて描かれている。B4サイズの原画をターポリン幕に拡大印刷した。
同シネマは「描き下ろして頂いたイラストが、まちの景色になじんでいます。アートは豊かな生活を後押ししてくれるもので、アートと日常が交わる光景を多くの人に楽しんでもらえたら」と話している。
29日にはライブペインティング
また、29日午前11時~午後3時には、同シネマ内の多目的スペースで、こうのさんによるライブペインティングが行われる。予約不要、入場無料で見学できる。
掲示中の懸垂幕と同じ大きさのターポリン幕に、こうのさんが直筆で描く。イラストは当日のお楽しみで、こうのさんが黙々と制作する過程を直に見ることができる。
写真撮影や会場での会話は自由だが、動画撮影、録音、こうのさんに話しかけることは禁止。来場が多い場合は入場を制限する。
完成した懸垂幕は、後日、現在掲げているものと入れ替える予定にしている。
問い合わせは同シネマ、電話(23)1249へ。
写真(クリックで拡大)=こうのさん描き下ろしの架空の映画看板