多世代で語る“15年後” 人口減少に伴う課題解決へ市民会議が初会合

2025年06月25日 のニュース

 2040年には65歳以上の人口がピークを迎えるとともに人口減少が進み、介護や医療、子育て、農業などの社会問題が表面化すると見込まれる。福知山市は22日、地域課題を市民と共有し、解決の方向性について意見を交わす「市2040年市民会議」を立ち上げ、無作為抽出で選ばれた多世代の市民約100人による第1回会議を西小谷ケ丘の福知山公立大学で開いた。

 総務省の国勢調査などによると、京都府福知山市の人口は2040年に6万7598人となる推計で、2020年の7万7306人と比べて約12%減少する見込み。40年の65歳以上は2万3686人(構成比約35%)、15歳~64歳は3万6014人(同約53%)、14歳以下は7898人(同約12%)になると見込まれる。

 市は客観的データをもとに福知山の将来像を「地域の未来予測」としてまとめ、ホームページで公開している。市民会議は、市民が希望を持って住み続けられる「『幸せを生きる』まちづくり」を進めようと企画した。

 参加者は市内在住の18歳以上の市民から無作為抽出した5千人に参加を案内し、希望した10代~80代の約100人。データをもとに来年2月までに全5回の会議を行い、交わされた意見を集約して市への提言としてまとめる。市は、来年度で計画期間を終える市政方針「まちづくり構想 福知山」の次期計画にも意見を反映する予定だ。

 第1回会議では大橋一夫市長があいさつに立ち、「本市の人口減少は北近畿では比較的緩やかですが、着実に減っています。産業基盤の充実、子育て環境整備などを進めており、市としても人口の自然減対策に懸命に取り組んでいきたい。予測をもとに、希望を持って住み続けられるまちになるよう、活発な議論をお願いします」と呼びかけた。

 全体説明のあと、参加者は約20人ずつの5グループに分かれ、「人口減少」「子育て・教育」「市の財政」など9分野についての概要を聞いてから、自身が思うことを話し合った。

 各グループでは、雑談も交えながら議論が盛り上がり、「人口減少のスピードがかなり速い。増やせれば一番だが、減っていくことを受け入れ、減少幅をどうやって緩やかにするかという考え方を持つことも必要だと思う」「子育てについては、今すぐ手厚く支援をしていかないといけない」「地域ぐるみの助け合いがあれば良いが、高齢者の見守りなどは命に関わる部分もあり、個人でするのは怖い」といった意見が出ていた。

 参加した女性(82)は「客観的なデータばかりで、市の方針などはないので少しびっくりしましたが、自分の考えをしっかりと言っていきたい」と話していた。

 会議は一般傍聴もでき、希望者は直接会場へ行く。次回の日程などは決まり次第、市のホームページで公開する。

参加者以外からも意見を募る

 市は、無作為抽出で選ばれた人以外も意見が投稿できるオンラインプラットフォーム(特設サイト)「2040くらしのスケッチ」を用意している。福知山に関心のある人なら誰でも参加でき、アカウントを作成することで、市からの質問に答える形で意見を伝えることができる。

 市は「『地域の未来予測』を踏まえて今から15年後、どんな福知山に暮らしていたいですか?」などと投げかけている。

 市民会議、特設サイトの問い合わせは市経営戦略課、電話(24)7030へ。

 

写真(クリックで拡大)=市民会議で話し合う参加者たち

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