こうの史代さん画業30年の軌跡を一堂に 初日には122人来館 市佐藤太清記念美術館

2025年06月12日 のニュース

 京都府福知山市在住の漫画家・こうの史代さん(56)の創作活動30周年を記念した大規模な展覧会(市など主催)が8日、佐藤太清記念美術館で開幕した。代表作「夕凪の街 桜の国」「この世界の片隅に」をはじめ、デビュー前から最新作まで、多数の原画や資料が並び、来館者はその世界観に魅了されていた。

 こうのさんの創作の歩みをたどる過去最大規模の展覧会で、漫画や絵本の原画、作品のコンテやスケッチ、制作風景を収めた初公開映像など、多彩な資料が美術館の全フロアに展示されている。

 高校時代に手掛けた貴重な原画や、生い立ちが分かる年表、手書きの家系図、愛用のペンや筆といった制作道具のほか、財布やコップなどの私物、さらに福知山マラソン出場時に印象深かった声援の様子を描いたイラストも展示されている。

 初日は開館直後から来館者が相次ぎ、計122人が訪れて一点ずつじっくりと鑑賞していた。こうのさんのファンで、大阪府堺市から訪れた女性は「読んだことがない作品もあり、見入ってしまい、気がつけば2時間が経っていました。こうのさんのプライベートな面も知ることができて良かったです」と話していた。

 展示は前期(7月6日まで)と後期(7月9日~27日)に分かれ、内容は全て入れ替わる。総展示数は500点以上にのぼる。すぐ近くの福知山鉄道館フクレルでは、鉄道にまつわる作品のほか、こうのさんが5歳のときに描いた絵も展示されている。

 展覧会期間中の美術館の入館料は大人720円、小中学生350円。開館時間は午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)。火曜休館で、展示替えのため7月7日も休館となる。

ライフヒストリーとして見てほしい

 前日の7日には、報道機関向けの内覧会があり、こうのさんが取材に対応。展示会の見どころについて、「デビュー前の作品もあり、ライフヒストリーとして、全体を見ていただければ。漫画に興味のない人でも、楽しめるのではないでしょうか」と話す。

 「前期と後期があるので、よければどちらも見てほしい。漫画を描いてみたいと思ってもらえると、とてもうれしいです」と、来場を呼びかけていた。

写真上(クリックで拡大)=こうのさんが手掛けた多数の作品が並ぶ
写真下(クリックで拡大)=報道陣の質問に答えるこうのさん

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