団員の負担軽減へ改革 支部訓練を分散開催に 福知山市消防団

2025年05月30日 のニュース

 福知山市消防団(小谷晴昌団長、28分団・1454人)は6月、これまで2年に一度、全市的に開催してきた「京都府消防協会福知山支部消防訓練」を、規模を縮小して実施する。全分団を3ブロックに分けた分散開催とし、内容も自由度を持たせて、団員の負担軽減を図る。市消防団が負担軽減のために事業を縮小開催するのは今回が初めてとなる。

 同訓練は、実災害における対応力の向上や各分団・ブロックの連携強化、団員たちの士気高揚などを目的に開かれていて、過去には放水訓練や規律訓練などをしてきた。旧福天1市3町合併前の1983年に初めて開かれた「福天支部消防大会」が、現在の訓練の前身に当たり、初開催から40年以上続いている。

訓練のための訓練 目的を超えて過熱

 市消防団は、団員の高齢化や新規加入者が減少傾向にあることを受け、既存団員に少しでも長く所属してもらえる消防団をめざす改革を-と、コロナ禍が落ち着いた昨年初めごろから、負担軽減策を考えてきた。

 全分団が一堂に会する同訓練は、開催に向けた準備の負担が大きかったほか、多くの来賓も訪れるため、各分団がより高い完成度の訓練を披露しようと“訓練のための訓練”が過熱。「災害対応力の向上」という本来の目的を超える準備をしているとして、団員数の少ない分団などからは負担減を求める声も聞かれていた。

 中止も検討されたが、団員の中には士気を高く維持するために継続を求める意見があり、有事に必要な技術を維持していくためにも、規模縮小で開催を決めた。

各ブロックで必要な内容に

 日程は中部・大江ブロックが1日、北部・夜久野ブロックが22日、東部・三和ブロックが29日を予定。内容も「放水訓練」という大枠のもと、具体的な訓練内容は各ブロックの幹部らが考え、自分たちに必要な訓練を行う。

 小谷団長は「負担減への改革を進めてはいますが、訓練の質が下がってしまっては本末転倒になる。本当に必要なことは何かを見極め、今回の形にまとまりました。事業規模の縮小は消防団としても初の試みなので、実施後は団員の声を聞くなどしっかりと検証し、今後につながる機会としたい」と話している。

 市消防団は、今後も負担軽減策を講じていく予定で、2年に一度、秋に実施している訓練「秋季点検」を今年度は項目を減らして行う。また、毎年、12月初めに資機材の確認などを行う「員数点検」は、秋季点検と同日に実施することで、団員の出動日数の削減につなげたい、としている。

 

写真(クリックで拡大)=過去に開かれた支部訓練

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