古文書から「朽木氏の周年祭礼」読み解く 京都府立大生を講師に 福知山史談会
2025年04月02日 のニュース
福知山史談会(河波司会長)が主催する古文書講座の今年度最終講座がこのほど、京都府福知山市駅前町の市民交流プラザで開かれ、受講者が庄屋に受け継がれてきた古文書「芦田家文書」を読み解いた。講師は福知山高校卒で、今春、京都府立大学歴史学科から大学院に進む渡部凌空さんが務めた。
古文書講座は、郷土史研究をしている福知山史談会が月2回実施。福知山にかかわる古文書を題材に、何通りもある崩し字を読み、その時代の世相、生活ぶりなどを学んでいる。主に西村正芳副会長が講師を務めているが、年に1回は外部から講師を招いている。今回は芦田家文書の解読などに携わった渡部さんが担当した。
今回の講座では、朽木家が福知山藩に来た1669年(寛文9年)以降、おおよそ50年ごとに行ったとされる領知継続の周年記念祭礼をテーマにした。周年記念祭礼は、現代でいう創業記念祭や市制施行記念行事などにあたり、朽木家は1868年(慶應4年)までに4回行ったとの記録があり、芦田家文書には、約100年目の1767年(明和4年)の祭礼の記述部分がある。
渡部さんは受講者18人に、該当する記述部分を読む時間を設け、庄屋が集まって献上の相談をしたことや、献上品は酒樽、鰹節、扇子、熨斗アワビなどであること、藩から指示された城内での行動などを解説。渡部さんは「よく出てくる言い回しを覚えておくといいと思います」「文脈を読むと分かることがあります」などとアドバイスした。
芦田家文書については、教育委員会や博物館で受け入れが困難とされたり、調査が進まなかったという経緯があり、渡部さんは「こういった資料の利用が進むと保存体制が進む。福知山の研究を発展させるため、こうした資料を利用してもらえたら」と呼びかけた。
写真(クリックで拡大)=芦田家文書について説明する渡部さん