「春の女神」のおめざめ 厚中問屋町の大地さん宅でギフチョウ羽化
2025年03月20日 のニュース
「春の女神」と呼ばれるギフチョウの羽化が18日、京都府福知山市の大地洋次郎さん(84)宅で始まった。昨年より5日遅い羽化で、飼育小屋の中を元気に飛び回っている。
ギフチョウは日本固有種で、アゲハチョウ科の仲間。環境省レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定され、府の天然記念物になっている。羽を広げた大きさは6~7センチで、黒と黄のまだら模様に赤、青、オレンジ色の紋が入る。
大地さんは1990年から、自宅の小屋などでギフチョウの飼育を続けている。今年の羽化第1号は雌で、大地さんが午前11時ごろに、飼育箱の中で成虫になっているのを見つけた。
羽化後は飼育小屋に移し、菜の花や早咲きの桜にとまって美しい姿を見せている。成虫は小屋の中にある食草のカンアオイに卵を産み付ける。羽化は4月中ごろまで続くという。
今年は100~150匹の羽化を見込んでいる。大地さんは「3月に入って寒い日が続いたため、例年より少し遅い羽化となりました。夏の暑さ、冬の寒さを乗り越えて成虫になったギフチョウを見ると、生命力を感じます」と話している。
写真(クリックで拡大)=小屋の中の菜の花に止まるギフチョウ(18日)