衆院選 京都5区は保守王国の牙城を守る 自民への逆風の中、本田太郎氏が3選決める

2024年10月28日 のニュース

 第50回衆議院議員選挙は27日に投開票され、京都府福知山を含む府北部7市町の京都5区は、自民党前職の本田太郎氏(50)=公明党推薦=が5万7455票を獲得し、3回目の当選を決めた。自民党の裏金問題が、全国的な批判を浴びるなか、2021年の前回より1万票ほど落としたが、終始安定した戦いを展開。ほかの3氏を引き離し、保守王国の牙城を守り抜いた。京都5区全体の投票者数は12万7035人、投票率は前回比3・9ポイント低い55・59%だった。福知山市は3万2723人が投票し、投票率は52・81%で、前回より3・8ポイント下回った。

全国で衆院選に立候補したのは小選挙区1113人、比例代表231人(重複立候補除く)の計1344人で、小選挙区289議席、比例代表176議席の計465議席をかけて争った。

自民は派閥裏金問題に加えて、党が非公認にした候補者が代表を務める政党支部に、2千万円を支給していたことが選挙期間中に表面化。これが大きく響き、公示前から65議席減らして191議席に。連立与党の自民公明両党でも215議席と、過半数(233議席)を確保できない厳しい結果となった。

このような状況でも、保守王国とされる京都5区の本田氏は強かった。前回選よりは勢いを欠いたものの、陣営は本田氏のクリーンさ、地に足をつけた政策をアピールし、支持基盤を固めて勝利をつかみ取った。

12日間の選挙戦では、「地方の発展こそ、日本のエンジンだ」と地方創生の実現を強調。農林水産業の振興や災害に強い国土づくり、防衛力の強化などを訴えた。実直な性格と外務大臣政務官などを務めた実績も評価され、幅広い層の支持を集めたとみられる。

次点は、立憲民主党元職の山本和嘉子氏(56)。2017年衆院選の比例北陸信越で初当選したが、京都5区に転じた前回選で敗れ、再起をかけて挑んだ。福知山を拠点とし、地域に根付いた活動を続けてきた自負があり、府北部再生への思いを力説したが、本田氏とは2万5千票ほどの差で届かず、比例復活もならなかった。

選挙初挑戦となった日本維新の会新人の道本隆也氏(49)は、知名度アップを図るため、個人演説会は開かずに、各地を選挙カーで走り回り、農地利用規制の緩和による働く場の創出などを街頭に立って訴えたが及ばなかった。

4度目の衆院選に挑んだ共産党新人の山内健氏(56)は、党機関紙のスクープが火をつけた裏金問題への批判を展開。「もとから変える」を合言葉に、消費税5%への減税、農業支援などを主張したものの、4番手に甘んじた。

「持続可能な府北部を」本田氏が決意語る

本田氏は、舞鶴市内のホテルで開票報告会を開き、選挙区内の首長、府議会議員、支持者ら約160人が集まった。午後8時にテレビ速報が始まり、2分ほどで「当選確実」が報じられると、かたずを飲んで見守っていた支持者から、大きな拍手が送られた。

府議の池田正義・選対本部長が「2期7年の実績と、未来に向かう地域づくりを訴えてきた結果が、当選に結び付いた」と勝利宣言。府議の家元優・選対副本部長の音頭で万歳三唱し、喜びを分かち合った。

本田氏は「国会で3期目の仕事をさせていただきますが、厳しい局面が待っているのではないかと、緊張しています。それでも選挙戦で訴えてきたことを、国会の場で実現できるよう、力を発揮していきたい」と力強く誓った。

さらに「この選挙戦は、(自民党への)強い逆風の中でしたが、支えてくれたみなさんに、心から感謝申し上げます。府北部が持続可能で、誇れる地域であり続けられるよう、しっかり働いていきたい」と改めて決意を伝え、気を引き締めた。


本田太郎(自民前)  5万7455票
山本和嘉子(立憲元) 3万2355票
道本隆也(維新新)  2万0387票
山内健(共産新)   1万3831票


写真(クリックで拡大)=支持者と握手を交わす本田氏

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