元阪神の糸井さん 日新中でサプライズ指導
2024年06月17日 のニュース
元プロ野球選手の糸井嘉男さん(42)が、京都府福知山市前田の日新中学校を14日にサプライズ訪問した。全校生徒558人を前に現役時代のことを話し、放課後には野球部員へ特別指導。「中学校生活は貴重な時間。毎日をかみしめて目標に向かって頑張って」とエールを送った。
糸井さんは同じ府北部の与謝野町出身で、宮津高校、近畿大学を経て、2003年に日本ハムファイターズに投手として入団。06年に外野手に転向してから頭角を現し、首位打者やゴールデングラブ賞を7回受賞するなど、球界を代表する選手になった。オリックス・バファローズ、阪神タイガースにも所属し、身体能力の高さから「超人」と呼ばれ、22年に現役を引退した。
サプライズ訪問は、トップアスリートが全国の部活動クラブを訪問する応援事業「部活生の強さひきだすプロジェクト」(運動通信社と明治主催)の一環。昨年の全国中学校軟式大会に出場した日新中野球部が選ばれた。
野球部員への指導は学校近くの長田野グラウンドであり、糸井さんは「よろしくお願いします!」とあいさつして入場。部員たちのキャッチボールを見ながら「ポジションは?」「ナイスボール」と声をかけて交流し、バッティング練習では「ボールの内側を押し出す意識で」とアドバイス。一通りのメニューをこなしたあと、「すごくレベルが高い」と驚いていた。
野球部投手陣との一打席対決では、糸井さんが強烈な一打を放つと周りからどよめきの声が。途中、部員たちが糸井さんの選手時代の応援歌を歌う場面もあり、終始和やかな雰囲気でプロの技を目の当たりにした。
■「自分を信じて、諦めない気持ちで」■
練習後は糸井さんを囲み質問コーナー。「野球で大切なことは」という問いに対し、「常に好きでいることと諦めない気持ち。挫折してしまいそうな時に、いかに自分を信じられるか。やることをやって自信をつけて、負けない気持ちを持ってどんどん挑戦して」と伝えた。最後に部員たちと握手をし、記念写真を撮った。
糸井さんは福知山の思い出についても語り、「橋立中学校の時に練習試合で日新中に来たことがあります。また、高校時代に福知山球場で初めてプロのスカウトが見に来てくれたことを覚えてますね」とにっこり。「今回指導して中学生時代を思い出しました。中学生はまだまだ伸びしろがある。今後の日新中野球部に注目したい」と話していた。
3年生の川北健瑠主将は「体の大きさや打球の鋭さに圧倒されました。指導はとても刺激をもらえて、今回の経験を生かして全国制覇をめざしたい」と意気込んでいた。
このほか、日新中体育館で全校生徒に向けた栄養講座もあり、糸井さんと明治の管理栄養士が対談。選手時代の食生活など紹介し、管理栄養士が体づくりのために食事が重要だということを話した。
写真(クリックで拡大)
・部員たちと笑顔で交流する糸井さん
・バッティング指導は真剣な表情で