福知山市長選 大接戦制して大橋氏が3選(詳報)

2024年06月10日 のニュース

 現職と新人2人の、無所属3氏が立った京都府福知山市長選挙は9日に投開票され、現職の大橋一夫氏(70)が1万2415票を獲得、1万42票で迫った元会社員の森山賢氏(31)との接戦を制して、3回目の当選を決めた。前市議の小瀧真里氏(64)は7370票だった。投票率は、前回より0・38ポイント低い49・42%だった。

次の4年で市長に何を望みますか。あなたのご意見をお寄せください

 両丹日日新聞社が行った期日前投票所での出口調査からも、大橋氏と森山氏が先行して小瀧氏が追う展開がうかがえた。有権者からは「実績を評価した」「若さを重視した」「女性視点で頑張ってほしい」といった声が上がっていた。

 大橋氏は2016年の市長選に、府議を辞して挑んで初当選。4人が立った20年の前回選でも再選を果たし、2期8年を務める。

 自民、公明両党、連合京都など多数の団体の推薦、半数以上の市議会議員から支持を受け、組織一丸となって選挙戦を展開した。各地での街頭演説、個人演説会に精力的に取り組み、自身の声で政策や実績を伝えることを重視してきた。

 財政健全化に努め、コロナ禍では市民や経済を守るため積極的な対策を進めたほか、直近約5年で長田野工業団地、アネックス京都三和に計890億円の投資を得たこと、子育て総合相談窓口の設置、子どもの多様な学びを支える「シロらぼ」の開設といった実績を挙げ、「今やるべきことをみなさんと考えていきたい」と訴えた。

 3期目の公約には「子どもたちがいきいきと育ち、学ぶまちに」「時代に対応した産業振興が進むまちに」などの7本柱で、市立小中学校修学旅行の無償化、公立幼稚園の預かり時間の拡充、市民病院の充実、中小企業へのデジタル技術導入支援といった施策を掲げ、「4年間で取り組むことだけを盛り込んでいます」と実行力をアピールした。投票総数に占める得票率は41・62%。

 森山氏は昨年9月に出馬を表明し、同級生世代のほか、新文化ホール整備を巡って住民投票を求めた市民団体、一部の市議から支持を受け、市政刷新と若さを訴えて挑んだ。SNSの活用などで若者への浸透を図り、現市政への不満の声も拾いつつ戦ったが及ばなかった。

 新工業団地の開発、商業施設の誘致、1世帯5万円の給付、新文化ホール事業の白紙撤回などを掲げた。得票率は33・66%。

 小瀧氏は教職時代の教え子やその保護者、自身の同級生、市議時代に所属した会派の市議らとともに選挙戦に臨んだ。「初の女性市長」をキーワードに、女性や子育て世代の支持拡大を図った。他陣営のチラシによって生じた意図しないイメージの先行に阻まれながら、しがらみのなさ、対話の重要性を訴えて4年前の前回選より票を伸ばしたが、風は吹かなかった。

 教育と子育て施策充実による人口増をめざし、住民提案による予算案の導入といった施策を掲げ、新文化ホール整備などを巡る市の市民との対話感覚に疑問を投げかけた。得票率は24・70%。

 当日の有権者数は6万1054人(男3万50人、女3万1004人)で、投票者総数3万171人のうち有効投票総数は2万9827票だった。

 人口減少に伴う地域の担い手や企業の働き手不足、再編が進む公共交通や老朽化するインフラの再整備、コロナ禍後の観光振興、治水対策と土砂災害への備えなど課題は多い。箱もの整備に対する行政の進め方などに一定の不満が出て、選挙戦の争点の一つにもなった。

 市民とどう向き合い、市政のかじ取りを担うのか、大橋市政3期目に注目が集まる。

 

写真(クリックで拡大)=支援者らとバンザイで喜ぶ大橋氏(左)

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