新鉄道館にSLと電車の運転体験コンテンツ
2023年03月07日 のニュース

京都府福知山市は、岡ノの福知山城公園内に建設を進める新鉄道館「フクレル」に、今昔の鉄道車両運転を体験するコンテンツを導入する。駅前町の市民交流プラザで1日夜に開いた第3回福知山鉄道館企画会議(柳井津佑健委員長、12人)でプランを報告。魅力あるものにするため、委員たちが更にアイデアを出し合った。
8月中の開館をめざす新鉄道館は、鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)平屋建て(一部2階建て)約584平方メートルで、大きく交流体験と歴史展示の2エリアからなる。
交流体験エリアにはSLの機関助士体験や電車の運転シミュレーター、壁に手をかざすと映像が動くシステム(インタラクティブウォール)などを設置する。
会議では事務局の市産業観光課が、制作を進めているコンテンツの計画概要を説明し、主にディスプレーや壁面の映像について意見を求めた。
機関助士体験は、実物同様にスコップで投炭作業をして走らせ、決められた時間内の走行距離を競う。「体験時は作業に集中するので、順番待ちをする人向けの映像を流しては」「SL運転の難しさを感じさせるより、楽しく体験して感動させることが大事。苦労は語り部の方が伝えてほしい」などの声が出た。
運転シミュレーターは、JR西日本223系電車を模した運転台に座り、マスコン(アクセル)やブレーキを操作してJR山陰線の福知山付近を走る趣向。正面のディスプレー映像は、CG映像で独自の演出ができる。「著作権の問題があるかもしれないが、(市内夜久野町の地域活性化に協力した)松本零士さんが描いた銀河鉄道999号が走ると夢があって面白い」「地元を走る鉄道車両を伝えるためクルーズトレイン瑞風や京都丹後鉄道の車両があってもいい」などの意見が相次いだ。
インタラクティブウォールは「街を線路でつなぎ発展させる」と「巨大な列車の塗り絵」の2つを用意する。路線はJR山陰線、福知山線、京都丹後鉄道など、塗り絵はC11やディーゼル機関車DD54、国鉄色の485系電車、287系電車などを予定し、塗り終わると走り出すシステム。「ラッセル車など働く車両も加え、学習につなげるのもいいと思う」「子どもたちの人気を集めると予想されるので、未就学児も操作がしやすいように配慮をしてほしい」などと提案された。
市では今回出された意見を参考にコンテンツを完成させる。新年度も同じメンバーで6回程度の会議を予定している。
写真=新鉄道館内部のイメージイラスト