福知山城出土のロザリオなど里帰り展示 市制85周年記念で
2023年02月20日 のニュース
福知山城で出土した16世紀~17世紀頃のキリシタン関連のロザリオとメダイ(メダル)が22日から、京都府福知山市内記一丁目、福知山城公園一角の市佐藤太清記念美術館で展示される。いずれも東京都の東京国立博物館所蔵。市が市制施行85周年を記念して特別企画した「珠玉の出土遺物展」で、ほかにも国重要文化財の景初四年銘盤龍鏡など約30点が並ぶ。
ロザリオとメダイは1916年(大正5年)に、東京国立博物館の所有となった。博物館の台帳には「福知山城堡内発掘」とだけ記されており、発掘の状況や同館所有となった経緯は分かっていない。江戸幕府による禁教令以降に、身分ある信徒が埋めて隠したものだと推測されている。
1600年の関ケ原の戦いで自害した豊臣秀吉の家臣、小野木重勝が、直前まで城主を務めており、その妻がキリシタンであったことなどとともに、江戸時代初期には、福知山でもキリスト教が広まっていたことを示す貴重な資料になる。
木製のビーズなどで作られたロザリオや十字架6点、天使の聖体礼拝や聖者半身像が刻印されたメダイ5点を展示する。
市所蔵の出土品も多数用意する。このうちの一つ、盤龍鏡は、4世紀後半の前方後円墳、広峯15号古墳から出土した銅鏡。実在しない中国の年号「景初四年」(240年)という文字が刻まれていることから、大きな話題を呼んだ。
このほか、西小谷ヶ丘の武者ケ谷遺跡から見つかり、近畿地方最古級とされる約1万5千年前の「草創期縄文土器深鉢」(府指定文化財)、石原のヌクモ2号墳から出土し、三国時代の中国から渡ってきたとされる「龍虎鏡」(府指定文化財)などの貴重品が並ぶ。
期間は3月21日まで。開館時間は午前9時から午後5時(入館は午後4時30分)まで。火曜と祝日の翌日は休む。入館料は大人220円、小中学生110円。
問い合わせは同館、電話(23)2316へ。
写真上=天使の聖体礼拝のメダイ(東京国立博物館所蔵 Image:TNM Image Archives)
写真下=ロザリオ残欠(東京国立博物館所蔵 Image:TNM Image Archives)