全国24公立大が福知山に集まり学生大会 防災など議論
2022年09月04日 のニュース
全国公立大学学生大会(リンクトポス2022)が8月31日から9月2日までの3日間、京都府福知山市西小谷ケ丘の福知山公立大学を主会場に開催された。北は岩手、南は沖縄から公立24大学の約80人が福知山に集結し、地域防災、人の多様性などをテーマにするワークショップで活発な意見交換をした。
大会は、全国の公立大学生で組織する「公立大学学生ネットワーク」(山崎恵理香代表・岩手県立大学3年生)が主催。直近2年はオンラインで行われており、対面形式は3年ぶりとなった。
初日に顔合わせをし、基調講演と市内見学を終えて、2日目の1日はメインのワークショップ。新型コロナウイルス禍の避難所運営▽地域での災害予防活動▽キャリアデザイン(将来の職業人生設計など)▽人の多様性の4テーマに分かれた。
大学生たちはテーマに関連する講義で事前学習をしてからワークショップを開始。災害予防活動のグループは、福知山公立大学の付属機関・地域防災研究センターの横山泰昭センター長から、水害常襲地の福知山の被災歴と事前避難の奏功例、全国の大規模災害後の課題などを教わり、4人ずつの5班で意見をまとめた。
最初に各自が思う課題を付箋に書き出して模造紙に貼り、それを基に議論してさらに気づいたことを加えていった。「防災グッズが割と高い」「学生はテレビを見ない」「SNSに偽情報」「担い手の高齢化」「防災意識の地域格差」など次々に意見が飛び出した。
ある班では共助が話題に。「共助ってどうやるの?」「知らない人に助けてと言われても…」と困惑しながらも、どうすれば我が事としてできるかの答えを導き出そうと、身を乗り出す議論に発展。横山センター長は「学生たちは真剣で議論も活発。鋭い質問もあってエネルギーを感じます」と目を細めた。
最終日の2日はワークショップ発表会と講評をして閉会した。
山崎代表は「対面形式の学生大会を経験したことがなく、何からやったらいいか分からずにバタバタしたけれど、会場でみんなの歓声が重なった時にオンラインでは味わえない活気を感じました」。主催メンバーの一人、福知山公立大学4年生の深川春輝さんも「同じ境遇にいる全国の公立大学生がこれだけの規模で集まれることはなく、とても貴重な経験になりました」と話していた。
写真=ワークショップをする大学生たち